富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月八日(木)晩に尖沙咀にて薮用済ませ二更に市大會堂に辷り込み山下敦弘監督『リアリズムの宿』観る。映画の自主製作する二人の若者の余りに単調な鄙びた温泉行き描き台本読んだだけでは「つまらない」内容がじゅうぶんに面白くなるのは演出の良さかと感心しつつ、これだけ平凡な内容描き作品として通用するのは例えばつげ義春の漫画くらいかと思っていたら物語終わって知ったはこの映画の原作がつげ義春(笑)。上映始り須臾にZ嬢の鼠足にて入る姿見つけ終わって聞けばZ嬢観た田中麗奈妻夫木聡『今日の出来事』の上映が三十分以上遅れての、とか。余もZ嬢も夕餉逸し三更に記者倶楽部に往き薫製牛肉の三文治食す。
▼松竹よりの歌舞伎ニュースのメールに新之助君の海老蔵襲名の記事あり「新之助丈」と呼ぶを見て首傾げざるを得ず。「丈」は長老だの師への敬称にて確かに「役者の芸名につける敬称」であるがあくまで敬称。松竹といふ歌舞伎界寡占する胴元が自ら抱える役者に、しかもまだ二十歳台の役者に「丈」は如何なものか。敬称のデフレなり。
全人代常務委による基本法の「解釈」につき実質的に07年の特区行政長官直選の途閉ざされたことに朝日新聞など悲観ばかりだが地場の数紙熟読すれば予期された結果に冷静で寧ろ北京中央も香港での改革の必要性理解したこと積極的に評価。但し時期尚早とされるのなら具体的に地道な将来探ることが香港の課題であり、07年の普選不可能なるは「董建華が香港の領袖であっては」という原因に基づくことは北京中央も香港の民主派も同じ。

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