富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-12-19

十二月十九日(金)晴。厳寒。早晩に中環に向かふが年暮の金曜日では市街に渋滞あり運転手に山頂のStubbs道抜けるを請へば元政務司司長‘香港の良心’陳安生女史などお住まいのEvergreen Villaに近き展望地に暗闇のなかに二百人近い群衆あり寒さのなか香港市街と湾岸眺めバスを待ち何の騒ぎかと思へば大陸からの観光客。ピークトラムの終点にある所謂「ピーク」まで上らず此処で展望済ますは団体観光の定石ながら本来「隠れたスポット」のはずが大量の客に当然それを搭せたバスの数も多く駐車場なき場所ゆえバスの方向転換すら能はず大型バスは灣仔ギャップ道と接わる警察博物館に近き駐車場にて客待ちするが此処がバスの大渋滞にて警察官が整理に出る有様。漸くこの渋滞抜けたかと思へば今度は中環の蘭桂坊に下りる車の渋滞に入り仕方なく旧総督府辺りでタクシーを乗捨て歩いて蘭桂坊。日本料理のなお善。日本経済新聞の忘年会といふか慰労会にお招き頂き末席を汚す。日経香港会社の董事長氏、香港支局長のA氏らと歓談暫し。なお善はかつての「福喜」にて九十年代に鳴り物入りにて開業した最高級日式料理店、数奇屋様の外装及び内装は当時の竹中工務店香港支店の傑作にて同じ竹中施工の通り対面の和菓子処源吉兆庵といい一対であったがバブル崩壊し福喜の経営変わり突然、数奇屋様の外装が岡本太郎的金色波壁となり唖然としたが今晩二階の座敷に通されれば幸いなことに二階の内装など崩されておらず竹中施工の、新建材など言語道断、檜など贅沢に真材用いた内装残るを見る。終わって余の日経Galleryの編集者であり十年来の畏友M氏と広州在住ながら最近は海南大学でも教鞭とられるといふK氏のお二人と外国人記者倶楽部にて一飲。
蘋果日報に日本人集団買春事件で中国側より国際刑事機構通じて国際指名手配された、買春手配に勤しんだ住宅リフォーム会社の社員三名が写真入りにて実名報道(新聞)。日本政府は内閣官房長官福田二世が日本の法律に牴触せぬかぎり警察が調査はできず調査も国内法にのみ対応し犯人が日本国民であるかぎり中国には引き渡しできずと発言したことを報道。日本政府はペルー前大統領のフジモリをば日本国籍を理由に引渡拒否の実績あり、と指摘。嗚呼わが国のこの民をば衛る強固なる姿勢に我ら国民は安寧。海外で「がんがん」遊び麻薬買春窃盗の限りつくし必ずや現地当局に拘束されぬ前に我が国へと戻りその庇護を得て犯罪から潜り抜けるべき、か。日中間に犯人引渡条例なきことで中国とて日本で犯罪犯した輩も中国内で野放しも可。