富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-12-07

十二月七日(日)薄曇。朝四時四十五分発のジェットフォイルにてマカオ(地図)。マカオラソンありハーフに三年連続で出場(地図)。地図眺めると澳門の埋立てぶりが一目瞭然。過去二年前日入りにてHyattに昼には投宿し午後リゾート気分にてプールサイドにて寛ぐなど娯しんだものの今年は土曜日に早晩まで藪用ありただ寝るだけでは楽しみも半ばと当日の朝入り決行するがやはり疲労感。始点終点はマカオスタヂアムのはずがスタヂアム大規模な工事中にて使用できず「そのへん」で開催となりかなり不便。一昨年がこのスタヂアムの開幕記念のマラソン大会のはずが工事終らず開催前々日だかの決定にて急きょ旧市街が出発地点となりスタヂアムに近きことでHyatt予約した参加者多く西洋人はこういう時に強いものでHyatt側に朝七時に旧市街までの臨時無料バス出すよう交渉しホテル側も了承。昨年ようやくこのスタヂアムで開催となったばかりで何故一年後に改修工事、突貫手抜き工事の粗でもすでに出たかと訝ればさに非ず、数年後にマカオにてアジア大会だか開催されるそうで、その主会場がこのマカオスタヂアムゆえ数万人規模の観客席増築とか。トラックは確か400mだったがそれも拡張するのだろうか。それにしてもスポーツと結びつくこの土建主義。長野冬季五輪であれサッカーの日本でのW杯での各地の競技場造営といい「今後それ以上の集客など一切期待できぬ」のに無駄な施設規模。そんなこともわからぬのか、と思うがわからぬ筈もなく単にその時期に何億といふ現金が動く経済効果なるものだけ期待するから土建主義。このアジア大会のため競技場周辺に更にホテルも建設中。競技場なら利用せぬだけでいいがホテルはアジア大会だけの集客でいったいどう採算がとれぬのだろうか。これも最初から採算など気にせぬ単なる土建主義か。いずれにせよトイレすら不足し不便極まりなきなか七時半に出発。マカオの湾岸にかかる友誼大橋渡る経路にて往路向い風にかなり僻する。日頃の運動不足で今朝も殆ど準備運動もできぬままのスタートにて当初6km/minを維持し81歳の葉氏に遅れをとるほどだったが5.4km/minほどに速度も上がりふだんなら6kmもすぎれば走るのもかなり楽になり遅いながらも速度調整も可のところ10kmあたりからかなり身体は言ふ事を聴かず倦怠感と脚の筋肉の痛み。棄権だけはしまひと走るが途中から自動車の交通規制緩和され、それでなくとも摂氏22度だからの気温でhazeの靄ひどき大気汚染の上に自動車の排気ガスで最悪の環境。給水所の水は飲むより嗽ひに用いるほど。普段なら好きな後半で全く速度でず6km/minとなりどうにか2時間8分余でゴール。フルマラソンにて三時間きる知人の応援もせずハイアットホテルに逃げビジターでヘルスクラブ利用。一浴し蒸し風呂、少し晴れ間ありクラブハウスのバルコニーにて微睡。澳門日報なる当地の新聞読めば曾ては正直言って内容浅く薄き紙面の新聞だったものが澳門行政、社会記事に加え中国内地記事でかなりの充実。澳門が中国の「出島」的に機能する様。午後ハイアットのリゾートレストラン、フラミンゴ(写真)にてランニングクラブの面々と三年連続で会食。ここは十分に美味。ポルトガル発砲酒も心地よし。各自復りのジェットフォイルの時間もありお開きで余はまだ時間もありZ嬢と旧市街に戻る(写真)。Z嬢所望しいつもの「蛋達」購ふ。新馬路あたりに武侠小説の第一人者金庸先生の博物館あるのだが場所わからず。先程までさんざんパエリアだの鴨飯(これはお勧め)など食した上に未だ食べたりず福隆新街の祥記麺食専家にて牛南麺。これほどの麺家、香港には見当たらず。麺美味きこと当然ながらスープのあっさりとしたコクに感嘆。更に甘味所望するがさすがにこれ以上はZ嬢に呆れられるかと黙っていたらZ嬢から提案あり清平街の杏香園にてアイス入り紅豆沙。これだけ食せば二時間走っても台無し。旧市街の自動車排ガスの汚染甚し。多くの中国大陸からの旅行者。香港訪れる者より更に田舎者多し。澳門であれば珠海から一日周遊で訪れる気軽さか。カジノの主場たるホテルリスボアの前など盲流の如く人が溢れカジノといふより難民収容所の如し。ブラックタイとまではいわぬが……。夕方のジェットフォイルにて香港に戻る。マッカラン飲みながらHerbie Mannの“Herbie Mann At The Village Gate”聴く。Herbie Mann、Bill EvansClifford BrownChet Baker……“Comin' Home Baby”。