富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月十五日(土)晴。午前、百年ぶりに康柏ジョギングトレイルに上り8kmほど走る。身体重くコースまで上がるに難儀。走り出せば10分もすれば身体はどうにか走るに応ずるが課題多し。昼すぎジムにて同じく百年ぶりに筋トレと思い自宅出るが金鐘でタクシー降りるとOctopus Cardなきことが発覚。仕方なく自宅に戻るが見つけられず。タクシーにて財布取りだそうとして落したか。プリペイドカードであるなら単に残高さえ諦めれいいのだが問題は余のカードの場合、銀行口座と連携しており残高不足となると自動的に口座よりHK$250が振替えられる、便利であるが危険な仕組み。Octopusの管理会社に電話するとすでに土曜日午後にて営業時間外。留守番電話対応ながらカード紛失にてまず香港IDカードの番号、生年月日を入力せば早急にカード使用不可の過程に入る、と。規則としてこの紛失の届け出から24時間以内については不正利用等あった場合の損害はカード保有者本人にあり、24時間以降は免責。24時間以内が問題だがいずれにせよカードが残高不足となり自動振替されるのは1度きりでつまりHK$250以上の実害はなし。しかも余の個人口座は浪費たたり数百ドルの残高しかあらず(笑)。週明け月曜にカード残高の精算並びに再発行手続可、と。いつもながら香港の効率的な事務処理に感心するばかり。ジムをまた逸して九龍某所にて高座。旺角。晩にランニングクラブの定例会あり佐敦のLa Bohemeなる創作系料理屋。La Bohemeといえば十月に巴里のオペラ座バスティーユ劇場)の舞台彷彿。三十分時間間違え早く着き藪用済ませ恭和堂にて亀苓膏。曾ては砂糖だの蜜だのかけてどうにか口に運んだ亀苓膏もいつの間にか甘みなどなくとも爽快なる妙。廟街の屋台と軒の間歩けば街頭に企つ淫売婦の多きこと算えるも難儀。昔は越南戦争当時からの廟街皇后多きこの一帯も今ではかなり別嬪の大陸娘多く淫売などせずとも旦那見つけるなりお酌でもじゅうぶんに生活には困らぬように見えもするが。淫売とてあれほどおればどう見ても需要と供給では仕事不足で大した商売にもならぬだろうに。例会終って、最近は酒もめっぽう弱くなり二次会に行くことも億劫にて知友らと岐れ、Z嬢とそういえば佐敦に来るのもかなり久々だからと食後だといふのに麥文記にて雲呑麺食して帰宅。今日も競馬に参る時間なく昼に慌てて予想して単勝のみ購入。当てたのは確いレースのみで大穴見事に外すがそれでも9レース買って4冠3亜1李1負は十分。複勝買わずも3亜1李は配当HK$15かそれ以下で寧ろ単勝に絞って回収率高し。主戦は12月の香港国際カップの準備戦(G2)、けして本命出ず。香港国際カップトライアルでいいものをレース名は今年からThe Asia's World City International Cup Trial と(笑)。本当にアジア代表する国際都市であればこのような名義要らぬ、新嘉坡や上海意識してのこの名義、悲しきもの。一着はElegant Fashion、香港で唯一?の牝馬(ほかにも数頭いるかもしれぬが活躍するのはこのEFのみ)。
▼昨日のSouth China Morning Post紙に香港大学の美術館にて展示管理するH君登場。トレイルで出遇い競馬も彼の両親が馬主で彼も大の馬好き。美術品を見て語れる人といふのは大したもの、と感じ入る。余は美術音楽については小泉三世ほどの感情表現しかできず。
▼先日、この日剰にてかなり疑問視した「信州魚巻麺」、ある方のご指摘うけ実際にこの料理、信州にあり「信州蒸し」といふそうな。かなり奇妙な料理ながら、もしかしたら、と怖れていたらの実在。日本の高級割烹や喰切りの店などでよくある料理だそうで、香港の高級ホテル内の日本料理店でも懐石の中の一品として新蕎麦の季節には見かける、と。余の無知を忸じるばかり。そういった日本料理屋で出される信州蒸しを修行していた地元の板前氏が材料を地のものでアレンジし、所謂“日式”料理店供しており、今の季節なら 甘鯛の信州蒸しあたりが少し濃厚な口当たりの酒に合ふ、と。通な世界。だが余にはどうしてもなぜ信州で海の魚使って蕎麦にまで巻くか、やはり食してみぬと理解できぬ世界だろうか。ちなみに余が冗談で述べたブラックバスの信州蒸しもあり……となると石班の信州蒸しもあっても不可思からず。