富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月初七日(火)午前St-German des Pres歩きBon Marche百貨店。巴里では余り買物の意欲わかず、理由は何よりも冬物の衣料購っても香港にて余り被られぬこと、そして置物などに余は興味なきことの二つだろうか。……といいつつBon Marche百貨店の「予感」は月本氏がTumiのバックを買ったといふ話(笑)、薄手のセーター一枚購い、Z嬢と別れ恐る恐る革鞄売場へと向かい、気になるのは牽車つきの鞄にて、5年ほど前に香港の空港にてSamsoniteのもの購い使ってはいるが丈夫は確かでも余りにも単調、誰でも持っている定番で空港で預け間違えられしこともあり、Z嬢と会いZ嬢を毛糸売場へと誘い毛糸売場の隣の革鞄売場にて再度眺め最終的にZ嬢に平伏しつつ購う。雨ひどく百貨店向かいのbrasserieにて昼食。Bon Marcheの食品売場La Grand Epicerieにて香港に持ち帰る食品購い大雨のなか濡れながら歩いてホテルへと戻り一憩。夕方にメトロでMadeleineに赴きSt Honere街歩くが高級ブランド品には興味もなし。Mont Blancの本店ありここ数日調子悪きボールペンの部品交換を依頼すれば上階に専門家がいるので其処で見て貰へと云われ上階に上がると病院の窓口の如き一角、中を除けば手がインクで藍染め職人の如き職人一人おりボールペン見せると早速分解にて細部を調整、油点して研磨機にて微かい傷など落とし(写真)当然の如く無料。香港ならいきなりmovementの部分取替えてるだろうに。エリゼ宮抜けここ数日で一段と色を増した紅葉のマロニエ愉しみつつシャンゼリゼの大通り。凱旋門よりVictor Hugo通りの魚料理の老舗Prunierにて晩餐。肉料理あまり好まぬ我らにとって今回の巴里滞在の極みが此処。1925年創業といふこの店の見事なアールデコの内装はため息ばかりの見事さ(写真)。食前酒にドライマティーニ注文すると赤か白かと云われ時々ある不安に嘖まれれば予感適中り氷にvermouthそのまま注がれ供されたのはご愛嬌、前菜はキャビアのパンケーキとEscaminero?とか云う貝、主菜は鱒と名失念の白身魚のムニエル、白葡萄酒はDaniel-Etienne DefaixのPremier Cruのシャブリはこれまで飲んだどのシャブリより風味あり。優れた給仕長はメニューが仏語だけだからときちんと英語にて料理を説明し、それ以上は余計な「ご満足いただけましたか?」もなく適度な親切。デザートのチョコレートケーキもシャーベットも、「よろしければご賞味を」と供された食後酒のKielも美味。かなりの満足の三時間の晩餐。酔い覚ましで凱旋門まで歩きメトロにてホテルに戻る。