富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月廿四日(水)晴。睡眠不足にて朝は朦朧とするところ日経に世論調査小泉内閣支持率65%、安倍三世好感度75%とあり。驚き呆れ目覚めたれば小泉安倍両君に感謝。築地のH君、この小泉ブームに断腸亭日剰昭和16年元旦の項を心して読むべし、と。ここだけは余も朗読に能ふ箇所かも。かくの如き心の自由空想の自由のみはいかに暴悪なる政府の権力とてもこれを束縛すること能はず。人の命のあるかぎり自由は滅びざるなり。と。某所に預け蔵つておいた書籍、大人どうにか持てる重さの袋八つ分自宅に持ち帰り書架に遷す。量多きは90年頃より2000年12月に廃刊となる迄の月刊『太陽』にて手放せず。月刊『東京人』だけは書架にも収まりきれず依然預けた儘。I君久しぶりに来宅、書籍片付け少し手伝いを請ふ。O君も来宅。Z嬢のチゲ鍋にて真露いいちこ飲み少しずつ残っていたBallantineの17年と21年。テレビにて競馬観戦せばI君絶好調にて第4場までで穴馬含め3つ当てる快勝。余はどうにか元金取り戻し。馬主C氏の二頭も預ける伍調教師持ち馬少なくとも今季俄然調子よく今晩も2勝、今季13戦にて入賞7回うち4勝でSize調教師に並ぶ調教師の勝ち数4位はお見事。
小泉内閣と安倍三世の支持率、日経でこれぢゃ讀賣では、と想像すると恐ろし。小泉安倍両君のことは今更問ふまひ。この65%と75%に該当せし国民「の方々」とは……。東京新聞に気概あり「安倍晋三氏人気の正体」なる特集記事(こちら)。「町内会やPTAにいてほしい人という意味で安倍氏を評価していると思う」と宮崎哲弥氏は指摘。「人をまとめるのが上手で、犯罪が起きた場合は強い態度に出て対応してくれるというイメージ」 か。町内で面倒見がよく長年の懸案だった下水道の問題も安倍さんが町内会の副会長になったらすぐ市役所にかけあてくれた。あの人まだ若いけど会長になってもらおうよ、ってその程度の認識。当然、核使用合憲発言とか祖父がキッシーといわれても何のことかわからず。明らかに「日本の民度は低い」。その理由は、戦後の教育に問題あり、か(嗤)。日本人は戦前までもっと高尚であったが戦後教育が日本人をダメにした、腰抜けにした。日本が普通の国になるためには、抜本的改革が必要で国を守る軍備、教育の改革、憲法改正が必要になる、ってね(笑)。それをできるのが小泉三世であり、その精神が安倍三世に繋がる、って……完全に終わってしまっている。小泉安倍両君とも北朝鮮並びに偉大なる将軍様には足向けて寝れず。
スポニチには「安倍幹事長講演に2500人が殺到」とあり。衆院選応援のため弘前入り。「青森空港到着時から歓声を浴びたほか、講演会を行ったホテルには約2500人が殺到し握手攻め」で地元候補者の事務所には安倍三世幹事長に就任した21日より「「本当に来るのか」との問い合わせが殺到」し「安倍氏が来ることを知って急きょ会場を訪れた人も多く、立ち見も含めて約2500人が集結」し「幹事長時代に弘前入りした森喜朗前首相や、派閥会長として応援に入った小泉首相が直後に総理の座を射止めていることから、会場からは「安倍さんもそうなるのでは」との声も上がった」と。亀井静香チャンからまでも「「君が幹事長になって本当にうれしい」と激励の応援があった」と三世。もはやファッショ。ファシズムである、これは。三世ご本人は「私の使命は選挙に勝ち抜くことだ」と宣い、確かにそのための集票熊猫であるからご自信の役割をわかっていらっしゃるし「私が幹事長になったこと自体、党が大きく脱皮しようとしているということ」と、確かに。御意。自民党は少なくとも55年体制からの「一人与野党」体制で党内でタカ派ハト派、武闘派と穏健リベラルが自慰的、模擬的な政権交代繰り返すことにて政権担ってきたが、もはやそういった党徳も期待できぬ状況になったことの象徴がこの「私が幹事長になったこと」であり、そういった意味で「党が大きく脱皮しようとしている」といふか「脱皮してしまった」パンドラの匣をばひっくり返した状態。
▼この流れ逗まる処を知らず。民主党に改革など期待もできず、田中康夫首相待望論も一部にあろうが知事職でこそ光る個性、一国の首相には無理もあり。ここまで何にも期待できずば最後は畏くも御親政?、しかも帝にあらせられてはまさに戦後民主主義をば会得され護憲平和主義の尊重は其処らのリベラリストなど足下に及ばぬほど。ただ問題は御親政こそ憲法に抵触すること。御帝は当然のこと皇太子殿下にあらせられてもそのご人徳とお人柄は誰もが褒めるところ、結局、御門に頼らざるを得ぬといふこの発想こそ日本が市民革命など歴ておらぬ証左か。
谷垣禎一君の財務相での入閣。築地のH君、この人に関しては読み違え、と。H君曰く、加藤紘一不在の名代といえど小泉内閣にて財務相までやっては加藤的にはもう通らず。乗り換え。「加藤の乱」にて御大将(加藤)敢えて側近谷垣ゆへに自らに従つての自民離党谷垣に思いとどまらせながらも腹心谷垣逆に旧主の寝首掻いて敵の大将小泉に取り入りたる、と見たほうが筋書き判り易いか。「結局、ここまでの人ですね……」とH君。H君指摘するに安倍三世「好きなアイドルは西田ひかる」って、それ49歳の男がそれを言いそれを許す世間。西田ひかる。いま流行ってる人ぢゃないだけに「本当に好きなんだ…」と憶測可。H君曰く福田派は本来、町村二世信孝継承するはずが外され安倍三世。唯一それはいい報せ、と可逆的にH君。「タカ派ぶりでは拮抗する両者だが、政治家としては安倍よりも町村の方がずっと能力は高いはず」で安倍三世の限界やがて白日のもとに晒されれば幸い、と期待するばかり、と。