富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月廿三日(火)曇。夕方に香港の邦人史纏める史料編纂の会合あり参加。ここ一週間ほどで粗くだが纏めていた余の担当部分の原稿も昨日提出し(未完の儘)、昨日丁度8月に飯倉の外交資料館で得た資料の複写も届き、内容吟味。先週金曜にお会いした郷土歴史家K氏よりは早速二日後に貴重な写真を参考にいただき感謝するばかり。写真は20世紀前半の香港での邦人の会社、商店の店頭、和服きた婦人が競技する運動会(於現在の銅鑼灣南華會)、和服姿の女性が歩く山頂、葬儀風景などなど。あらためて葬儀場の写真みて、写真の左上に位置する岩上には大谷光瑞師揮毫の萬霊塔らしき塔あり(Happy Valley外国人墓地の一角に移送され現存)右側の建物は寺と思うと異様だが本願寺であれば築地本願寺にも似たその独得の東洋趣味、写真奧の煙突が火葬場らしく、それでこの写真が戦前の銅鑼灣は掃桿埔に在りし日本人墓地で敷地内の建立物位置関係まで明確となる。貴重な写真史料。晩に香港大学にて民主党元党首・李柱銘氏の講演会あり。銅羅湾より地下鉄で上環に急ぎタクシーに乗れば運転手氏見事なる裏道策略。李氏のその揺るぎなき知性と面白み溢れる会話、屡ば露見される冷徹なまでの無策な権力者への嫌悪感など誠に興味深き二時間。大学図書館の企画にて、進行役は同大世論調査センター長の鐘庭耀教授。このかなりリベラルな企画外部からお干渉もなく大学の図書館で而も晩に葡萄酒振る舞はれ開催されることの意義。終わって中環。外国人記者倶楽部にて独りギネス麦酒一飲しclubhouseサンドヰチ食す。「やはり」美味。サンドヰチの量多く一半食し残り折詰にてZ嬢賞味にと持ち帰る。李氏の講演内容纏め日刊ベリタに送稿。