富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月廿六日(火)下雨没有了。忙殺されく疲労困憊、北角を車で通ればSARS疫禍以前の如く大陸からの旅行者多し。北角波止場のバス停をよく利用したがビル解体工事にて出る煤塵だの恐れ須臾立ち寄らずば集合団地(昨年10月の日剰に写真あり)もすっかり解体され北角の波止場までぽっかりと空間あり。帰宅してカイエンペッパーかなり効いたハヤシライス食す。『東京人』九月号読む。
▼首相小泉三世の憲法改正について愚説宣ふを聞く。曖昧なる憲法見直す点は多く、と小泉三世挙げたる例はまず自衛隊自衛隊は軍隊じゃないのか、自衛隊には戦力がないのか、常識的に考えておかしい点もありますね、と。自衛隊は実は軍隊であり戦力であるのは事実、だが憲法が非武装を謳ふは理想主義にて、それが曖昧だの事実と相違すことは現実にてあって当然。また小泉三世は43条(両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。)を例に挙げ衆院小選挙区「選挙で落選した人が、どうして比例で救われて国会議員になっているのか。一般の人は疑問に思っていますね」と。それ故に43条改正が必要と仰るが、そもそも党に投票することで個人的に嫌悪する者が当選することもあり得るが比例代表制、たかだか選挙制度の技術的問題を理由に憲法改正とは。妄言、失言、虚言の癖ある御仁ゆえ発言の仔細を論っても意味なきことかも知れぬが、結局、聖域なき改革だの自民党をぶっ壊すだの息巻いても、結局は『侍ジャイアンツ』の主人公・番場蛮が巨人軍を毀すどころか巨人にて大活躍するが如く、本人はそこでの大活躍気取り。改革といへば教育基本法だの憲法だのと実際の改革とは無縁の理想主義の範疇をば易ることばかりに躍起、自民党をぶっ壊すといっても当の自民党内部で変人扱いされ相手にされぬ現実。自民党内部にしてみれば国民の支持率だけは高ければ首相に据えて置くには吝かでもなく再選すら可とは。いずれにせよその支持率を支えるは国民、小泉三世の愚政の元凶は国民に責任あり、当然、日本といふ国が悪しきほうへ悪しきほうへと流れ、その竹篦返し受けるも亦た国民か。南無阿弥。