富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月十三日(水)午前、歯科治療受ける。香港の養和医院の歯科にて奥歯の裏側に虫歯あり場所的に削る治療できず内部もひどくなっている可能性あり歯に被さる金属を除去して虫歯治療の上再び金属で被せることで保険使ってもHK$4,000と見積もられた部分。O医師曰く虫歯といふよりも場所的に最も歯磨き難しき部分で汚れに因るもの、確かにこのまま放置すれば数年後に虫歯になる可能性もあるが、研磨するだけで虫歯治療は必要なし、と。近所の書店は大店にてかつて二階建の広い店には書籍と客溢れていたものが今では二階は閉鎖して書籍も品薄、客も数名と唖然とするほどの寂しさ。この商店街ぢたいかつての隆盛なく閑散とし買い物客もほとんどおらぬ平日の午前、仕方ないのであろうが、書店は一応、新刊書は並んでおり光文社文庫の今月より刊行始まった江戸川乱歩全集二冊、それに明らかに品薄の書棚を埋めることが目的に置かれた別冊太陽や白州正子など平凡社の特集本のバックナンバーが置かれており、そこで別冊太陽の『発禁本』3冊揃っており、かなねからかなり興味あった内容で早速購ふ。戦前のマルクス主義からエログロナンセンスまで。天皇の戦争責任を問う雑誌から三島先生も愛読されたといふ『アドニス』まで結局、政治思想とエロティシズムが「発禁」といふ二文字によって結びつく面白さ。昼に車で両親とZ嬢を乗せ、午後、福島の馬頭町なる山間の古い宿場町の蕎麦屋「いせや」。夕方、西那須の大鷹の湯なる湯治場。西那須といっても那須の山間には入らぬ、東北自動車道よか少し東側、温泉宿といふには施設乏しくも良質の温泉は肌によし。「特別室」なる、ちょいと上等の温泉宿なら普通のニ間続きの和室に一泊。