富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-08-05

八月初五日(火)快晴。JR奈良駅までホテル前よりバスでJR奈良駅。駅前の星巴珈琲。閑散とするが当然のJR奈良駅に乗降客多く何かと思えば天王寺近くで人身事故あり鉄路不通。桜井線は定刻で動き天理へ。十数年前に香港の中文大学にて出会い三四年前まで数年香港に駐在もせし天理教職員のK君に出迎え受け再会。戦前の香港の邦人社会の調査ありK君には戦前の天理教の香港での記録など調査請いK君詳細に渡る史料蒐集を済まされ感謝。K君の勤務する天理教国際部にて史料閲覧し昼まで記録作業。史料少なき戦前の邦人社会に於いて天理教天理教華南伝道庁長で広州天理日語学校を開き香港出張所長もされた故福原登喜氏が貴重な記録文書、写真を残されK君は香港天理日語学校の井上氏夫妻の残した戦前灣仔にあった日語学校の写真など集められる。貴重なる記録ばかり。昼に何を?と求められ日本の普通のらーめん屋、テーブルが油でねっとりして店に置いた雑誌の類がラーメンの汁でバリバリになっているような店でのラーメンと餃子を余は所望し駅近くの某中華料理屋。天理大学付属図書館。貴重なる書籍多く建物だけでも重要文化財なみの図書館、閉架式ながらK君のおかげで書庫にまで入り関係書籍閲覧。各地の教会の残した会報の類まで明治からきちんと整理され圧巻。古典文学、基督教まで好事家には垂涎の書籍多し。史料整理済ませ天理教を参観。門などなく誰にでも開かれた神殿(写真)、教祖殿。自称真言佛者の余も心静まる空間。昨日までが夏休み恒例の子供おぢば帰りで今日は閑散といふものの十代の若い信者多く「ひのきしん」なる奉仕活動続ける様に邪念ばかりの余は恥ずかしきかぎり。K君と別れ一人、天理の本部より駅まで天理本通なる商店街歩く。信者さんらのおぢば帰り相手にお土産屋だの神具屋だの並ぶ。Rolexの腕時計、通りの時計屋にてバンドの修理請いすぐ直され無料。天理教のお神酒奉じるといふ稲田酒造なる酒屋で稲天なる吟醸酒購ふ。天理教の施設と母屋(ぼや)といわれる各地からの信者の宿泊施設ばかりの市街駅前にパチンコ屋二軒あり下界の空気にどこか安堵す。再び神殿に戻り独り教祖殿など再び巡る。時間少しあり書店にて深谷忠政なる著者の『天理教とは』なる天理教紹介のブックレット購ひ駅前のケンチキにて珍しくコーラ飲み一読。世界中の人々が我欲(心の埃)にとらわれし胸の掃除をし互いに救け合いこの世を神人和楽の陽気ぐらしの世界に建てかえ甘露台といわれるユートピア建設が天理教の求めるところ、と。いずれの宗教であれ聖地なるもののどこか清き空気に触れた思い。駅にてK君と奈良より来るZ嬢待ちK君の後輩筋の運転する車に送られ市郊外の串焼屋にて三人で旧情懐かしみつつ一席。奈良ホテルまで送られる。