富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月三十日(水)晴。夕方に湾仔の地下鉄站より陸橋渡ると五四運動の梁国雄君、立法会議員Emily Lau女史らによる民主派団体の董建華辞任要求署名及び募金活動あり。この時間にこの場所選ぶは香港の夏の風物詩でもある書展(香港ブックフェア)湾仔の展覧会議中心にて開催されており、学生を主に毎日数万人の入場者あり、その群れ湾仔站に戻る道すがらにて、さらに政府公務員の退勤もこの場所多し。署名に応じる者少なくなし。されど7月1日のあの興奮思えば(ちょうど余もこの陸橋より写真を撮る)反応鈍し。この1ヶ月にて23条立法の審議延長され葉ゲシュタボ局長と梁財務司の辞任ありひとまず北京中央の信任得た董建華が形なりにも対話姿勢と世論重視を表明し本日も港珠大橋建設といふ空港建設以来の大型プロジェクトの具体的検討を表明、また71デモについても政府はこの市民運動から社会が受け入れられぬ製作は推行せぬといふ方向性を得、政府のこれまでの施政に誤りがあったことを認め(ただし陳謝はせず)、このような状況において董建華がもはや能なしであることは明白ながら早急なる辞任求めることが社会的混乱に結びつくなら董建華も多少の反省して民意汲むのであればとりあえず行政長官に据えておくことは問題なし、といふのが世論でなかろうか。香港大学の法学部教授陳弘毅氏の主張(廿一日の日剰参照のこと)の通りであろう。そう思うと、民主派がここぞとばかりに董建華辞任ばかり叫ぶのはけして良策に非ず。同じ民主派のMargaret Ng議員が今日のSCMP紙にて国家保安法は確かに多くの国がもっているが民意に基づく法治が前提であり民主主義と法治の手続きを無視した今回の政府の立法化の課程にこそ問題があったのであり、香港が反映維持するためには法治が重要であるからこの立法化もそれに従うべき、と正論述べる。御意。早晩にジムにて一時間鍛錬。帰宅して『神聖喜劇』第2巻読む。