富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-07-15

七月十五日(火)快晴猛暑。昼にハッピーバレーの日本料理慕情にて珍しい生の桜海老が静岡より入ったそうで掻揚天丼。秀逸。昼頃に市街に学校帰りの子どもつれた父母多く見受けられ昼にこうして子どもの送り迎えとはこの親たち仕事とかどうしているのか、と不思議に思ったが考えてみれば今日が小学6年の中学選抜結果の発表。義務教育の中学進学ながら学校が公立及び半公立(政府援助受ける私学)は地区毎の受入生徒数に限りがあり曾ては人気のある学校は個別に入学試験など実施していたが「受験戦争緩和のため」共通試験実施となり成績の良否により本人の第1志望から順に選抜がなされる制度が数年前に導入される。緩和といいつつ実質的には12歳で競争は白熱。何よりも公立学校が不足し半公立の学校に依存する香港の現実ゆえ。明日短いlecture請われ資料準備。夕方上環に赴き蕘陽茶荘に寄り店の名品といふ極上の龍井茶購ふ。久々に皇后大道西歩めば帝后華庭なる大型マンション聳え立ち記憶辿れば此処が嘗ての潮州巷にて安くて美味な潮州料理屋何軒も並んだ一角。97年の香港返還よか前のことだつたかこの潮州巷に在るといふ香港六記の一つ斗記を初めて訪れようとして数ヶ月前に閉業したと知り落胆。その地上げの結果がこの帝后華庭。週刊香港の連載の取材といふより現存?の確認に西環の厚生酒荘。老朽化した建物化粧直ししておりかなり驚く(写真)が店ぢたいは昔のまま。看板もそのまま。ただし店は酒屋の風情かなりなくなり新聞雑誌の類売ることは少なからず残念。この一角、酒荘の向いは老舗の焼蝋店正隹、その隣りが亀苓膏の福和堂で改めて西環の街の古さ認識。猛暑に疲れ夕方の渋滞にもかかわらず北角まで小一時間バスに乗る。中環にて立法会議事堂前で法輪功の諸君瞑想にふけり23条立法反対。この団体こそ23条立法されると一網打尽に検挙される「北京政府転覆企図」団体。帰宅すると税務署より通知あり一瞬背筋寒くなるが徴税の緑色封筒でなく浅黄色の封筒に何かと思えば税金の還付。政府のSARS打撃克服のための景気刺激対策の一環にて2001/02年度の所得税のうち最高50%まで還付となるが、還付上限額はHK$3000(余は荷風先生ほどの金融人に非ずいちいち納税額まで日剰には記さず)。鯛のあら煮。日系スーパーにて鯛刺を出しての残りの鯛のアラだそうで一匹分がHK$20。食後に8月入稿の週刊香港、日経Galleryの連載の文章。合わせて2,400字ほど。我ながら原稿の早さだけは感心。雑事済ませ深夜二時に至る。
▼ジャズのBenny Carter氏逝去、享年95歳。20年ほどまえに仙台でビッグバンドでの公演見て、その楽団にMalta氏が加わっていたと思ったが昨年8月に逝去のライオネル・ハンプトン楽団の勘違い。老境に至りJazzなど音楽の記憶もかなり朧ろに。
蘋果日報に政治及経済風検(risk)公司なる調査機関のアジア大洋州国家の言論と宗教に関する自由についての調査結果あり。米国、豪州が言論、宗教とも0〜1と最も自由でそれに続くのが台湾で言論が1〜2、宗教は米豪と同じく0〜1。4位が香港で言論2(23條立法など中国の統制圧力?)で宗教が1。フィリピンは言論は1〜2だが宗教が2〜3。日本はそれに続き言論が2〜3で宗教が1。言論が自由なようでいて実際には天皇制タブーであるとか教育での君が代日の丸の扱いなどみれば異論排除もありけして自由ではないことがこの数字に表れているか、と推測。続いて韓国(言論3、宗教1)、タイ(言論4、宗教2〜3)となり10位にシンガポールは宗教1に対して言論が6〜7とかなり不自由。ちなみに中国が言論、宗教とも6〜7と当然ながら不自由極まりなく14位。