富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十四日(月)快晴。快晴といふと聞こえがいいが連日朝から30度、昼は33度まであがり「熱」警報。南洋の香港で猛暑は珍しくないが連日温度が下がらぬ異常気象。紫外線指数(UV Index)も先週から連日14と99年にこの指数登場以来2001年の夏に記録した13.9を越える。ちなみに南極上空のオゾン層破壊著しい南半球で豪州はPerthで20を記録しているが豪州では直射日光に当たること即ち危険。真剣に夏の外出は危険。猛暑ではあっても太陽のない月見、蛍かりだけが無難か。子どもの頃に夏は日焼けが健康的、プールでの甲羅干しが盛んだった頃を懐かしむばかり。
▼『世界』8月号に「教育基本法「改正」見送りの舞台裏」なる記事あり、与党内で公明党がこの改正に渋ったのは(余も見た記憶あるが)2001年5月23日に創価学会名誉会長池田大作君より朝日新聞に「教育基本法は見直すより大いに生かせ」なる投稿あり「憲法に準じる」基本法は改正の「拙速は慎むべき」で愛国心など念頭に「教育勅語に盛られたような具体的な徳目は基本法の性格になじまない」と。この記事で注目に値するのは本年5月12日の与党協議会にての自民党公明党の対立。
北側(公明党政調会長)「国民の関心はいじめ、不登校、学級崩壊、学力低下などの具体的な問題だ。まず、こうした問題がなぜ起きたのかを議論すべきだ」
中曽根(大勲位の息子)元文相「ここでは教育基本法を中心にすべきで、枝葉ではなく、教育の根や幹に関わる部分の再生に力を集中すべきだ」
太田(公明党幹事長代行)「いじめなどの諸問題の原因は教育基本法なのか。社会の様々な問題も視野に入れた広汎な議論をすべきだ」
北側「この場所に、不登校などを枝葉と認識している人がいるとは驚いた」
中曽根「枝葉などとは言っていない。それらの根源をたどれば教育基本法にたどり着くという認識を示しただけだ」
鈴木恒夫自民党、元文部政務次官)「これだけ教育が問題を抱えているのに、会議の進め方さえ決められないのでは、国民に顔むけできない」
浜四津(公明党代表代行)「協議会はいじめなどの深刻な問題に、与党の責任者が真剣に取り組んでいるという姿勢を表に出す場だ。改正論議ありきではなく、前段階の問題と向かい合うべきだ」
中曽根「今回集まったのは、教育基本法をどうするかを議論するためだ」
結局、自民党改憲教育基本法の党是ばかり。改正に何も期待できず。最終的にはこの党に国を委ねた国民に全てのリスクと責任が舞い降りてくる、というもの。
▼同じ『世界』に「都立高校改革?誰のため?何のため?」なる記事。東京都にて公立学校の国旗国歌は100%の徹底(こちら)。数字ではそうだが卒業生と在校生が対面式の卒業式は壇上の国旗に向かう式に改善がなされ校長が退職をひかえ最後の式くらい自主的にと教委の指導に従わぬ恐れがある場合は都教委の職員が遣られ保護者に一旦ご着席としてしまうと国歌斉唱にて立たぬ者が出るから保護者立ちっ放し、歌う声が余りに小さくたまりかねた教頭がマイク握って独唱となり笑い声だの、誰も歌わず校長、教頭、事務長三人が斉唱だの、と現実は改憲教育基本法改正と同じく実質的な中身なくただただ実施のお題目だけでの徹底。
▼そのようなひどい現実の中でメディアもテイタラク甚だしいが日刊ベリタ、高校生が記者する『エコろじー』や子ども通信社ボイスの優秀な記者たちによる『世界』での座談会など読むにつけ、このような人たちがとんでもない現実のなかで奮闘と知る。