富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月四日(金)悲しくなるほどの青空。人を殺しても罪を感じぬであろうほどの青空。夕方もまだギラギラの太陽のなかジムに参り鍛錬。帰宅して週刊香港の原稿。帰宅してからネタ決めて呻吟といいたいところだが鮪の中落丼の簡単な夕食はさんで小一時間で900字弱。原稿だけは早い。Macallan調子よく飲んでいたら気持ちよくなりずいぶん前にS嬢にもらった『ブルータス』の本屋特集いい加減に読む。
▼築地H君が愛読する産経新聞が三日「産経抄」にて香港のデモについて書いている、と報せてくれるが産経のwebから昨日の産経抄にたどり着けず。なんでも「香港のデモをネタに日本の反戦デモをくさしている」らしいがH君曰く「産経ともあろうものが中共の独裁に反対して「自由社会」を守るための論陣をはらないのか」と。だがH君の産経新聞は「まさか、国内の反戦デモの方が中共よりも重要な敵だということでしょうか」とというのは事実であろう。結局、産経の敵は共産主義じゃなく体制にたてつく市民。それにしても今日の産経抄船の科学館に展示されている北朝鮮工作船から憲法の丸腰平和論批判、よくここまで安易に論理?が飛躍できるものと感心。
▼或る方から今回のデモについて雑感をお送りいただく。それに返事する過程で余の雑感もいくらかまとまった感あり、備忘のため綴れば以下の通り。
市民がどういった事由であれデモという形態で政治参加したことは、政治が本来政事(まつりごと)であり祝祭であることを思えば、少なくとも政治に全く疎くなり無関心であるよりもこれは評価すべき。ああして市民が意思表示をして何らかの形で香港政府も動いていく、というのは、97年以降の香港社会を想像した時に予測されうる否定的な状況のなかで、今のこの状況は寧ろ「まだ」健康体である証拠、と感じ入る。それ故この動きを評価。香港の姿は、米国に見られる米国建国の理念と覇権主義との差異であるとか日本のなるがまま、なされるがままの政治と市民との差異など見るにつけ、香港はそう悪くないはず。