富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月十三日(金)雨。雨模様続き。晩にかなり久しぶりにジム。フランス語少し勉強。二日続けてSARSの感染者おらず。
教育基本法改「正」について与党内で自民公明の調整つかず今国会提出見送り。国家主義について懸念するとして公明党義賊……ぢゃない「義党ぶり」。
▼香港にて40年操業してきた大日本印刷が撤退、大手旅行会社広東旅遊が倒産。この広東旅遊は昨年まで中国側で香港行きツアーの認可受けた代理店わずか4社の一つで中国旅行社などとほぼ独占営業権を享受してきたが昨年、この香港旅行取り扱いが解禁となり代理店乱立と価格破壊生じて営業困難に。倒産といえば大手のレストランの倒産も相次ぐが、経営者側はぎりぎり(基本的には閉鎖当日)まで従業員にすら閉業を告げず、ただ何がその前兆かといえば、まず店から魚翅(フカヒレ)と干し鮑が持ち出されるのだそうな。そして石班や伊勢海老などの高価な魚介類。店が倒産すると従業員がせめて退職金かわりに、とまず手を出すのが魚翅と鮑だそうで、大きな店となると安いころに買い込んであった乾物がいくらでもあるので、かなりの金額になる。魚翅といえば香港一有名な楊貫一氏の阿一鮑魚の富臨飯店も昨年、宝石泥棒ならぬ鮑泥棒に隣の店より壁壊して押し入られ深夜のうちに貴重な干し鮑強奪される騒ぎもあり。青森の吉浜だのの、それも今では採取困難といわれる大ぶりの鮑だの盗まれ、香港では盗んでもそれを料理して出したら富臨飯店から盗んだとすぐ判るわけで、賊は大陸からだろう、と。
▼ふと外務省の海外安全渡航情報、このhttp://www.pubanzen.mofa.go.jp/の「パブ安全」という名前がどこか「安全」という名の飲み屋の如く、安全な飲み屋と聞くと我々の世代はかつての青線の飲み屋に掲げられた「抜けられます」の看板を思い出すものなり。で香港情報みるとそこに地図あり地図見れば「シンチェ」なる地名あり一瞬、ここは朝鮮かと思ふ。よく見れば「新界」の北京語読みのXin Jieのカナ書きのようだが、いずれにせよ朝日新聞の北角「ばっこっく」以上に全く使えぬカナ書き。「新界」は日本語で「しんかい」と読まれているのだから「しんかい」でいいのをなぜわざわざ「シンチェ」なのか。寧ろせめて広東語読みに倣い「さんがーい」のほうがまだマシだろうし、カナ書きしても意味がないのであって英語でNew Territoriesと書いたほうがよかろう。でその「シンチェ」の北にあるコワントン省もフランスの如し。これも北京語のGuang Dongをカナ書きしたつもりなのだろうが中国(コワントン省)と書いても誰もわからぬのであり何故に素直に中国(広東省)か、せめて「カントン省」と書けぬのか。非常識甚だし。