富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月二十九日(木)曇。昨晩の競馬、I君が競売に来るといつも余の馬券の買い方が乱れ大損するのだが昨晩あしかけ三年で初めて快勝。50倍のTrioとそれに続いて16倍ほどだったが続けてTrio当てる。「もし」この2レース重勝にしていたら800倍などと皮算用。I君は不調から脱しえずタクシーで自宅までお送りして帰宅。ついに余の拙宅までがインターネットの24時間つなぎっ放しワイヤレス環境の手はず整ふ。わずか8年ほど前にモデムつないて、ブラウザをどうすれば得られるか、などと思案していたころと隔世の感。
▼経済学の奇才・張五常教授『蘋果日報』の連載にて曰く、清潔であるとか衛生は習慣、例えば路上での唾吐き、張教授にはその習慣なく「かーっペッ!」とやれといわれても、その作法わからず、慣れた者には習慣でも慣れぬと甚だ難儀、と。中国になぜその衛生、清潔の習慣がないか、といへば、歴史上で「清潔を風俗とする需求が大きくなかったから」である。まず、土地が広大で人口密度小さく(明朝初期にはわずか6,000万人……ソレデモ多ヒガ)今日のような密集化なし。次に生命の価値が尊ばれなかったこと。民国時代でも平均寿命は40数歳、歴史顧みても皇帝による民衆殺戮、親の子殺しなど罪にもならぬ時代あり。清朝乾隆帝の末期より神州大地兵荒馬乱の時代が200年近く続き、そのようななかでどうして清潔なる風俗など尊ばれようか、と。だがナポレオンに、巨人は夢より醒め立ち上がった、の言葉あり、今日これだけ人口密度が高いからその代償に疫禍である必要もなく、清潔の風俗を得られむ、と。で、その香港は、といえば昨年より実施された痰吐、ゴミのポイ捨てなどの罰金刑を強化、痰吐はHK$1,500、とくに悪い住環境が指摘されている公共住宅では痰吐3度警告受ければ公共住宅からの立退きまで含む、といふもの。10年前ならシンガポールの罰金刑社会を嗤ひバンコクの大気汚染を厭ふていた香港が罰金刑にて環境衛生維持、強烈な大気汚染に悩むとは……。で、香港は昨年より実施された痰吐、ゴミのポイ捨てなどの罰金刑を強化、痰吐はHK$1,500、とくに悪い住環境が指摘されている公共住宅では痰吐3度警告受ければ公共住宅からの立退きまで含む、といふもの。10年前ならシンガポールの罰金刑社会を嗤ひバンコクの大気汚染を厭ふていた香港が罰金刑にて環境衛生維持、強烈な大気汚染に悩むとは……。