富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-04-29

四月二十九日(火)曇。先帝のお誕生日か。黄昏に湾仔春園街の楊春雷にて涼茶。百年ぶりにジム。鍛錬。夕暮れを眺めるにつけ、香港の、世の中は全く普通通りの日常が続いている。唯一異なることといえば海外から誰もやって来ず(といいつつエイシンプレストンの応援団は関係者30名、手弁当50名はいたはず)、みんながマスクしていること。ただマスクも、街頭にて排ガスのなかバスなど待っている時にはこの疫禍なくともマスクは有効か、などとも思う。帰宅して鮪中落丼。黒柳徹子女史勳三等瑞宝章だそうで71歳、といふことは30年前は41歳……だが当時、もう受勲してもおかしくない年齢だと思っていたのが事実。夜、台北にて隔離されていたツアー旅行者香港に戻る。台北蒋介石国際空港にての有り樣見るにつけマスコミの撮影の中を顔を頭巾とマスクにて隠して足早にバスに乗り込む「被害者」ら。このツアーのうちの一人、六歳の少女発熱したことでツアー全体が隔離されたのだが渦中のその少女も否應なく執拗に追いかけるマスコミに晒される。香港に到着後は特別通路を通しマスコミ避けて今度は自宅観察処分になるそうな。北京は日経社会面には「邦人相次ぎ北京脱出 日本人学校生徒の半数が帰国」と見出し踊る。記事よく読めば460名の児童生徒のうち200名弱が帰国中だそうで「危機においては」43%も半数なのだ、と知る。いずれにせよ香港に比べて北京の状況が更に酷いのは感染対応の遅さ、事実隠匿、情報不足の三点。香港の場合、感染対応の遅さこそあったがピークに住むガイジンの発病例が「偶然にも」発表されなかったような事除けば事実隠匿もなく、情報が十分にあったことはまだマシだったかも。上海に住むM氏よりメールあり。土曜日に訪れた黄色門厨房の経営者でもある劉健威氏が上海でのマスク着用率の高さを信報に書いていたが、M氏によるとマスク着用率は「実際のところそれほど高くない」そうで「北京のほうがはるかに高いと思う」と。以下、引用すれば
とはいえ、ここ数日、すごいことになっています。夜9時以降の営業場所はすべてクローズ(カラオケは全滅)、高速道路の料金所でも、車に乗車している人は、上海にはいるときに体温計測、上海市のボーダーでは、バス、列車、すべてが同じく体温計測、飛行機も、上海に入るところで体温計測が義務付けられています。ボーダーでは大混乱で、事実上、人の移動をシャットアウトしようとしています。さすが社会主義、やるときは徹底していますよ。ビルの内部は、消毒が義務付けられ、アルコールくさい状況、タクシーも、全車毎日消毒が義務付けられ、ステッカーが張っていない車は営業停止です。ということで、気分だけは相当盛り上がっています。移動できない、また、顧客も、社外の人間は敷地に入れない、ホテルは、上海以外の人をシャットアウトしようとしているなどなど。経済への打撃、相当になりそうです。それとあわせて、衛生当局は、相当神経質になっています。隠蔽もあるのは間違いありませんが、今の力の入れ方、半端じゃありません。
……だそうな。上海全体を隔離して肺炎の流入を防いでいれば確かにあの低い感染率もあるかもしれない。が、発想は同じなのだが、北京郊外の村だの自警団組織して村に余所者入れぬほど。村の入り口の国道沿いに検問所のようなもの作り火を焚いて棍棒持った村人、ほとんど『七人の侍』か『武蔵』の世界。唯一の違いといへば道路に筵を敷いて漂白剤撒いて通行者の靴底を消毒しよう、というその配慮。悪いことばかりだが、疫病が流行るは社会への警告であるとするなら、今回の新型肺炎は少なくともヒトに疫への畏怖の念を想起させ、中国の経済成長すら阻止も可能なほど「何でもヒトの思うようにはならぬこと」を自覚させたであろうし、強いてこの感染を意味づけすれば、必要以上に移動容易にするヒトへの忠告であるかも知れず。私らは余りにも気軽に移動するようになってしまっている、そこがどれだけ自然体系に影響を与えているのか自覚もないまま。
▼今週から中学校が全面開校しているが、それにしてもこの殺菌ぶりはなんだろうか。ここまで生徒に武装させてまで手の殺菌が必要なのだろうか。奇怪なる風景。台湾にては香港など厳重地からの来航者は否応なく10日間だかの観察期間設けて外出禁止、ツアー旅行中だった香港客が容赦なく収監される悪夢。香港の街を歩けばバス停も地下鉄も企業広告はどこも肺炎治療に携わる医療関係者へのcontributionばかり、企業もこの時期に普通に広告出しては社会的道義に反するとでも思ったのか、大喪の礼の如き有り様。
▼疫禍での学校休校措置、教育当局は小学校幼稚園に対して依然として休校措置延長しているがInternational Schoolに対しては学校の自主的判断で開校可を通達、それに対してこのDouble Standardに非難あり。“If it's not safe for local schools to reopen, how can it be safe for an international school?”という意見は真っ当。教育当局は“Since international schools ha