富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-04-20

四月二十日(日)快晴。盛夏。一路海灘。炎天下といつても肌炒るほどの陽射でもなく新聞、『世界』読む。浜邉に人出多し。湾仔からの夕暮れ一景に値す。日暮れてジムに一浴。尖沙咀のDomonにて葱味噌拉麺。Z嬢と科学館にてタイのJila Meligool監督“Mekhong Full Moon Party”看る。製作陣は“Iron Ladies”、メコン河に満月の夜現れるfireboll、その妖しげな「自然」現象が、実はある老僧による仕業にて、それが人々への施しなのか欺瞞なのか、ただそれがタイの風土とタイ思想になると善悪といった単純な判断超越して愛しみとなる。終って深夜、久々にQuarry BayのEast Endにてale一飲。皐月賞サイレントディール武豊)に淡い期待寄せたが順当にネオユニヴァース一着。
▼『世界』にて寺島実郎氏曰く米国のイラク攻撃に対する日本の「信頼される同盟国でありたい」といふ一念からの支持は華盛頓でこそ期待通りと受け止められたが日米関係熟知するJapanologistsの間では寧ろ仏蘭西を明白地に批判してまでの米国支持する日本に当惑し「なぜ米国の主張と同じなのだ?」と失望感あり、と。アジアや中南米から華盛頓に遣られた外交官やジャーナリストは「日本は米国周辺国でしかない」と幻滅、日本外交は「敢えて話題にする特色もない」と。寺島氏の指摘は日本は二点見失っており、一つは憲法精神の積極主張であり、軍事の論理が跋扈する時代だからこそ「武力をもって紛争解決の手段としない」思想を日本の信念体系として強調すべきであったし、もう一つは広島長崎の悲劇有する日本だからこそ大量破壊兵器廃絶への主張をすべきだった、と。これを寺島氏は「堂々たる臆病者の論理」と宣い「力の論理を否定する憲法精神は世界に訴えるべき日本外交の基軸」と。御意。これを理解せぬ国賊どもが平気でアメリカ従属、北朝鮮を敵としての日本の威力推進に躍起となっている。