富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月十六日(水)曇。晩に映画看ようかと思ったら午後六時過ぎに董建華及び衛生局長、教育統籌局長の記者会見開催されU姉とそれ見て映画逃す。Happy Valleyより尖沙咀東まで車で15分きっかり。水曜日とはいへ沙田で競馬開催にてHappy Valley道路規制ないにせよ海底隧道でも渋滞もなし。疫禍の影響あり。見逃した映画が尖東の科学館にて半ばのところで今さら尖東になぜ出向いたかといへば尖東でふと五味鳥の焼き鳥所望し、普段なら午後八時は盛時、席もなかろうが疫禍にてこの時ぞとばかり、それに今で五味鳥、年に数回とはいへ10数年一人で酌んだこともなく閑散とした店にふらりと立ち寄り一飲もまた好しと思ったが、五味鳥、滿席。ま、ん、せ、き、だ。疫禍だから、と高を括ったが大間違い。肺炎騒ぎだろうが10数年地道に焼き鳥供してきた成果がこれか。仕方なく同じビルの一平安にてらーめん食さむと赴けばビックエコーカラオケ閑散。密室にてマイク奪ひあふカラオケ業の衰勢甚だし。一平安、数年前に「かつてあった」ようなこと書いてしまひ、実は余が往なぬだけのことで香港で日本のらーめん、餃子供してすでに20年近い店。地味ないわゆる普通の食堂系らーめん屋だが貴重。スープが熱いだけでも貴重。ねぎらーめん。文化中心にて賈樟柯監督『任逍遙』看る。賈監督の作品昨年の映画祭にて『站台(プラットホーム)』見ているが、この人の映画は「たるい」。太原から田舎に入った小さな都市での若者の悶々とした生活。主人公は若者二人で無職、ふらふらと毎日を送るのだが、これは『站台』において当初、文化大革命の宣伝隊のように誕生した若者の楽団が時代を経てフォーク、ポップス、ロックとなってゆく変遷を描き、その若者たちが田舎でなりに都市化してゆくのだが、この『任逍遙』の若者はその成りの果て、として描かれる。『站台』においては革命の宣伝隊であり、フォークで自分の気持ちを歌にすることに目覚め、ロックでは多少なりとも社会的な反発があったが、すべて何らかの感情の宣伝活動であったのだが、それがこの映画にては見事に時代の変遷で、蒙老王酒とかいふ焼酎の宣伝のためドサで歌舞音曲みせるつまらぬ歌舞団であり、街中に延々とうるさい宝くじの宣伝放送が流れており、革命の宣伝はついに余りにも下世話な資本主義の宣伝へと零落。といくら評してみたところで「たるい」。
北朝鮮からの拉致被害者5人帰国して半年家族会並びに救う会が代表外務省訪れ五人北朝鮮に遺せし家族並びに他の拉致被害者安否確認推進なきを以て北朝鮮への経済制裁踏み切るよう政府に強く申し入れ。外務省話合い継続姿勢みせるが家族会「ここまで来たからには目に見える結果が必要だ」と反発、と(日経)。経済制裁求めつつ「そののけそこのけ蓮池透」家族会事務局長など「全く進展がない状況で平和的解決といっても無駄。がっかりした」と、これぢゃまるでブッシュ。さすが米国にて米政府高官と対談しただけの箔あり。それにしても何故ここまで家族と救う会に力がついたのか、当然彼ら利用する輩あり、北朝鮮攻撃したくてしたくてしょうがなく北利用しての軍備増強、それをするには家族と救う会利用しての代弁こそ有効か。それにしても拉致被害者も家族も北朝鮮、つぎは日本と国家に弄ばれるばかり。
▼日本ではインターネットのワイヤレスLAN免許制撤廃し登録制へと移行、と。こんなものまたしち面倒くさき免許制であったことも驚きながら、撤廃といっても来秋つまり2004年の秋、つまり1年半後……こういった分野において数ヶ月でもどれだけ技術環境の進歩あるかと思えばこの1年半での損失はかなり大きく、その深刻さが政府など全く理解できておらず。中国の共産党政府だってもっと技術社会に対応しているだろうに。