富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月六日(日)小雨。Runnning clubの有志にて青山Castle Peak登る。金鐘よりバスで屯門、市中心よりタクシーで青山寺麓。小雨あがりここから坂道一気に登り583mのCastle Peak、屯門の市街見下ろす絶景。このあたり一帯かつて英軍の野戰訓練域にて立入り禁止、不発弾もありといふ。頂きより急坂下り尾根づたいに双清渓、一縷の水の流れがじょじょに水嵩まして谷間下り臥龍潭の渓谷に出れば噂には聞いていたが静かな渓流岩場を流れおち水墨画の如き世界。訪れる人も少ないのか塵もなく、このような自然の極み、市街地から歩いてもわずか一時間のところにあろうとは。下流より山岳バイクの一行現れる。静寂は壊すがせいぜい砂地に轍と車輪跡残す程度にて風と雨で風化と思えばゴミを捨て岩場に落書きなどするハイカーよかよっぽど自然愛好家か。それにしてもバイクにては風情もなし。大水坑と云われるこの渓流も平地になるに従い海水流れ込むのであろう、水の色も濁り微生物も繁殖、潮臭さ。殊にこの先は珠江の河口、世界でも有数の汚染河川の河口に世界的にも貴重な野鳥生態豊かな米埔の自然保護区ある世にも不思議な世界。その米埔のすぐ隣りが自然破壊と開発著しき深センの福田区の都市が広がっているのだから。で、この渓流下り河口へと出ると右手古くからのマングローブとそこでかつては漁業や農業営んだ下白泥の集落あり、左手はかつて巨大なマングローブであったところが数十年に及ぶゴミ埋め立てにて屯門の火力発電所から続く陸地と化しているのだがゴミから発生したガスなのだろうか独得の悪臭放つ。自然と人間の毀れた文明社会との接点。下白泥という地名もかつてはこのあたり白い土砂堆積しマングローブに樹木繁る自然を思わせる。この村からミニバスで流浮山、ここで同行の有志らは下りて海鮮料理、我ひとり元朗の街までバスに揺られる。久々に元朗の街ぶらつきお下品さでは香港でも有数の場外馬劵場通れば英字紙の競馬新聞に目落す者がかなり多いのは錦田界隈に居住するネパール系住民ら。元朗ともなるとマスクする住民はかなり少なく、いつもの街に佇む者多き週末。公園だの木陰に老人ベンチに腰かけ日がな過ごす。バスで高速ぬけて小一時間で天后。電氣道の大利牛南にて遅めの昼食にて牛南粉。いったん帰宅して夕方湾仔に出ていろいろ買物。晩は神妙にもこの時節柄日本からお越しの方々あり歓迎の意こめて銅鑼灣の杭州料理家・張生記。要予約とあったが注文できて老鴨保火のスープ絶品。龍井蝦仁も東玻肉も美味いがなぜ杭州料理屋にて龍井茶で一坏HK$35もとるのか理解できず。帰宅してたまった新聞読む。