富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月二十七日(木)午後に董建華本人「非典型肺炎」について記者会見あり、と報せ流れ政府お得意の14時半(2時に昼食終わり一休みして)とか午後5時といふ観測あったが結局18時15分より衛生福利及食物局長並びに教育統籌局長連れて会見とあり内容は遅ればせながらの学校一斉休校措置と察せられるが焦点は検疫及防疫条例の適用の有無。この条例1936年制定の当時コレラだのチフスといつた南洋の都市襲う疫病に対処するため患者の隔離、対人接触禁止、違反した場合の罰金刑まで課せられる。当然のことながらこれから想像に易きは癩病への差別隔離にて立法会にても法曹界選出の議員Margaret Ng女史この条例により非典型肺炎が伝染病と指定されれば感染者家族だの感染の疑いある者までの拘束可となり適用に慎重なる態度で臨むことを政府に進言。信報社説も感染者に対して徹底した治療は効果あるが間接感染の疑いある者まで隔離徹底したところで今日のように中国内地だの他と人の往来多き社会にあってはその道での感染防ぐこと不可能に近く、ましてや中国政府はWHOの視察すら北京には迎えたものの広東省への実地調査拒むような態度にて内地での不明朗なる実態こそ不安、と。結局、大方の予想通り董建華、明後日土曜から一週間の学校一斉休校措置と検疫及防疫条例を宣布。感染者ばかりか感染者と接触あった者の自己申請と自宅隔離まで含む内容。疫病も、しかしそれよりもこの警察国家化こそ恐ろしきもの。……といいつつ湾仔の地下鉄站にても職員の感染わかり、どうしても地下鉄にて九龍某所に赴くお座敷かかり、待合の方も強気にては座敷を選べぬ芸者のつらさ、さすがに退勤時の混雑した地下鉄に乗るは怖くもあり余もつひにマスク着用。お座敷に向かえば待合、下足番が客にも芸者にもマスク配りお座敷の襖開ければ客もマスク顔、謡い踊るもマスクにて、とんと不景気なる様。お座敷跳ね地下鉄に乗り車窓に映る大きな外科手術用マスクした己の姿見て「あゝ我も21世紀の人なりき」と思ふ。自分ひとりならどうでもいいのだが、いくらマスクしたとはいへ隣の席に坐る者とあヽも大声にてくだらぬこと喋りまくるオバサン連中見るにつけ、あれくらいのオバサンの大声では唾もさぞや飛んであのマスクも敵わなふまひ、と痛感。
イラク攻撃のニュースに続き大リーグにて松井だか松戸だかがオープン戦にて活躍、と。かたやイラクの都市は米軍の空爆に遭い、かたやその戦闘機飛ばす側は国にて野球と呆ける。これは国家対国家の正々堂々とした戦いなどではなく(そんなものあったのは日露戦争くらいまでか)単なる侵略攻撃にすぎず、とあらためて思う。