富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月十一日(火)愚猫三平糖尿患い療養中のところ本日逝去。Z嬢より電話あり病院へ向かおうと思うと青空。あとになって思えば、朝、ブルックスブラザースのスーツ、ってここで気取っても仕方ないが気晴らしにてご容赦、スーツの上着のボタンぽろりと落ちて、ちょうどその頃に愚猫、死を予感させるひどい発作あり。9年前にハッピーバレー景光街の路上で新聞売る屋台のオヤジがゴミ箱に捨てようとした子猫2匹拾い、とりあえずの数日の世話始めるとZ嬢拙宅の裏口階段で毛虱取っていたら子猫の鳴き声に子猫探す母猫の呼応、断腸の思いで子猫放置。それを知り気になり余が昼に帰宅して恐る恐る裏口を開けると子猫おらず「母親、連れて帰ったか」と安堵すると足元で「ニャーッ!」と絶叫。あやうく数センチで子猫踏みつけていたところ。母猫1匹だけ連れていった模様。結局、この「うるさいほうの」猫飼うことになりそれから9年。ミッドレベルに越して広いバルコニーある拙宅にてはバルコニーで月眺めるような姿、池の金魚に怯え、さかりひどくなり西摩道に引っ越す日に去勢、台風の香港直撃に寝台の下で怯え、干徳道に引っ越してからは漏尿ひどくなり医者に去勢した猫に多き泌尿器系の成人病とかなり神経質さゆえのことにて食事療法できるがこの猫飼うかぎりずっと世話要すといわれる。去年は膀胱炎、胆石。このところ糖尿まで患っては満身創痍だろうが今になって思えば懸命に日常生活にて平常振舞っていたと。診察室にて最期の別れ。病院に荼毘に付すを頼む。晩にとても食事気分でもなくZ嬢と静に素食ででも済ますべきところどうしても外せぬ送別宴あり、しかもその按配を自ら六国酒店の粤軒でしていれば「とても食事では」と思いつつ前菜の焼臘から秀逸にて箸すすむ我が情けなし。陪席された食通のお三方も出てくる料理にご満悦。生太子炒飯は初めて食したが殊の外美味。今日は煙草でも吸わねばやってられず。閉店間際のPacific Coffeeにて珈琲のみハーゲンダッツのアイスクリーム購い帰宅。すべて精神安定剤。帰宅して何もする気もおきず柚子湯にはいり寝入る。
▼米国はいよいよ国連脱退?、思い出すのは松岡外相による国際連盟脱退の大日本帝国の雄姿、9票とか10票とか根拠のないヨタ話で非常任理事国を恫喝するかと思えば、イギリスは再修正案提出で採択の日程は繰り延べとか。阿南ぢゃなかったアナン事務総長は国連の承認を得ないイラク攻撃は国連憲章に違反と当然の認識示す(記事はこちら)。米国は国連憲章を蔑ろにし日本は日本国憲法を蔑ろにする。南無阿弥。
▼ところでちょっとフランスに引き込まれた感ありのロシア、築地H君により拒否権行使について全く相反する外電が二つ、と。「ロシア外相国連決議案に拒否権発動の方針示す(こちら)」と「ロシア決議案採決を棄権か=電話協議で米大統領が確信?米誌(こちら)」の二つ。しかし読んでみると後者のタイムの記事は単に「米当局者の感触」(笑)としただけ。いよいよなりふるかまわぬガセ情報を撒き散らしはじめ?、それなりに追いつめられているかも。
▼先月末日の日剰にて「イラク攻撃と有事法制に反対する演人の会」の会合について綴り中村屋の司会ありやなしやと察していたが、そこで「H君指摘するに、この反戦集会、共産党系新劇系から、アングラ、新左翼系までよく網羅されているが加藤剛先生の名が見当たらぬのは不思議」とあったが、H君より「加藤剛先生はご健在!」と報せあり。この反戦集会党中央お墨付きの大集会、先月のような自主企画とは格が違い加藤先生クラスになるとやはり滅多なところには名前は出ぬか、と察す。