富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月十日(月)曇。晩遅く九龍某所での藪用終わってT氏と邂逅、「ちょっと軽く食事でも」と誘われ「とんかつ如何ですか?」と相変わらずT氏らしさ、いつかかういふオファーのできる大人になりたひと思ふ。すかさず九龍から香港島に渡る海底トンネルバスのなかから銅鑼灣のとんきちに電話し閉店間際なのだが懇意のマネージャーに20分でいくから、と電話、余はヒレとロースの区別もわからぬ脂の少ないほう(ヒレ?)注文しT氏ととんきちに着くと店の行灯すでに消えていても丁度揚げたばかりのとんかつ卓に運ばれT氏のかういふ手際のよさに敬服。遅かった所為か白飯は冷飯を蒸かしでとてもお茶漬けならまだしも揚げたてのとんかつではとても頂けなかったが文句はいへまひ。
▼ペルー最高裁、元大統領フジモリの逮捕請求を国際刑事警察機構ICPO)に提訴、ICPOは本件捜索とフジモリの身柄拘束を命じる国際手配の決定を下す。 それにしても日本のマスコミのこの事件の扱いの小ささ。新聞休刊日とはいへネット配信のニュースでもトップの見出しなどなく「フジモリ」と検索してようやく出てくる始末。時事も「フジモリ氏を実際に拘束するかどうかは、日本側の判断に委ねられるとみられるが、同氏の身柄引き渡しを求めるペルー側の外交圧力が強まるのは確実だ」とする程度。このICPOの決定を受けてドイツ、コスタリカ、イタリア、スペインなど各国はフジモリ入境の場合即刻逮捕としている。この日本のフジモリ擁護も「独立した主権国であることを内外に明らかにしていくこと」の一環なのか、呆れてモノも言えず。フジモリなど擁護するまえに日本国の外国籍「市民」の擁護を! でもここまでして日本がフジモリ擁護するのって当然のことながらフジモリ擁護よかフジモリ絡みの日本の対ペルー利権の隠蔽なのだろうが。で、気になるのはこれを産経新聞がどう伝えるか(笑)なのだが、共同電を使って「日本政府は、フジモリ氏日本国籍を保持しているとして、日本の刑法に従い、身柄送還はできないとの立場を取っている」と。おいおい、これって日本政府が以前からペルー政府に対して送還はできない、としていることであって、ICPOの加盟国なんだからICPOに対してはそんなこと言っていられないはずだけど、どうなってるの? この記事は見出しがあくまで「ICPOは」なんだから、かりにこの「日本政府は身柄送還できないという立場」というくだりを紹介するなら「ペルー政府に対しては」と書かないと。書き手の無知か意識的な世論操作か。いずれにせよ日本政府、ICPOの決定を無視してまで独立した主権国としての意思を貫くか、乞うご期待!
ザ・フォーク・クルセダーズの「はしだ隠蔽疑惑」だが築地H君によるとNHKBSの「なつかしのフォーク大全集」とかいう懐メロ番組でもはしだ先生の大ヒット曲「風」が流れているのだが歌っているのはなんとはしだ先生ではなく、コトもあろうに坂崎幸之助!と。まるで「はしだのりひこ」は最初から存在せず、ただ坂崎幸之助がいた、という「歴史の書き換え」が進行しているのだろうか。南京大虐殺がなかったかのように「フォークルにはしだ先生は存在せず」、若いファンは坂崎先生は「アルフィ結成するまえはフォークルだったんだ」と思うだろう、これじゃ。
▼フランスのシラク大統領がカッコいい。素直にカッコいい。演説見てても惚れ惚れするねぇ、いい役者だ。相撲好きは有名だが先代の幸四郎勘三郎だのと並んでもらったら絵になるねぇ。ドビルパン外相も脂の乗り切った49歳。外務省に勤務していた27歳のときにパリ市長シラクに見初められ以後シラクの右腕として外交を補佐してきた、とH君情報。シラクとは「アフリカ民芸品のお面を集める趣味まで同じ」というのがよくわからぬが仲いいのだろう、いろいろ。ドビルパン本人もシラク後継=大統領を狙ってるらしいがフランス外交ここにあり、という面目躍如。やはり政治家として教養の質が違うのか、つまり有権者民度の問題になるが、とH君、シラクにせよドビルパンにせよ保守政治家がこれだけの人物、この時代になんと稀有な、さすがフランスざんす。シラクにしてみれば自らが愛し慕う日本であるからこそその日本に独立した主権国であることを内外に明らかにしてほしい、と願うところだろうが失望して3月来日延期、だが隠れた真相は実は寺尾の引退あり日本で相撲見る楽しみが一つ減った、という噂もあり(笑)。