富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月四日(火)久々にしっかりと雨降ル。昨日綴った『香港攻略本』について東京書籍の出版部に電話。トイレの「日本人向きではない」という表現は電話に出た編集者「確かにここだけなんでこういう表現しているのか」と過ち認め丁度4月に改訂版出す作業中なので訂正を要検討、と。「鶏肉のムニエル」については教科書出版会社としてはかなり拙いが益新が潰れてしまつたので言及せず。そういえばこの『攻略本』で「気さくで親切」と称された海都海鮮酒家、Q姐に聞いて呆れたが、個室を要すほどの或る宴席ありQ姐、海都と海逸酒家の二軒に予約試みる、がHung Homの海逸は個室満席にてキャンセル待ちでメニューのみもらい海都は個室あったが送られてきたメニューは高いばかりで酒の肴になるかならぬか程度の遜色に欠けるもの、客を馬鹿にするのもいい加減にしろ、と思ったQ姐、海逸のメニューはかなり期待できる料理並び値段もまぁまぁ、海都にアタマきたので海逸のメニューにある鱶ヒレ、鮑魚など含む料理を並べ海都に送り、これか同等の料理を供せと言ったところ驚いたことに当初の、その値段で食すに値もせぬメニューをそっくり変えて同じ値段でオファーしてきた、と。当然、店は当初のメニューなら食材も安い分多益なわけで客を馬鹿にするのもここまでいくと大したもの。怒れるオヤジは東京書籍ばかりか朝日新聞広報部も襲撃(笑)、下述した教育基本法改正について「前文を残す」の不明朗な記述を質す。電話で応答した、香港からとわかったら「お客さん、遠いところ恐縮です」って温泉旅館の番頭さんみたいな広報部のオッチャン、国際電話=高い(虚実)とわかったら少し早口になるのがご愛嬌、前文を「ぜんぶん」と読んだら「まえぶん、ですね」と指摘され、へぇそうなんだと我が浅学恥じたが、アトで調べたら「ぜんぶん」でいいのでは?、「まえぶん」は新聞の業界用語か、それはそうとオッチャン、手許にこの記事掲載された版が見当たらず、としながらも「前文を残す」という表現は確かに「そのまま」ととれるわけでこの点は要確認、とのこと。
▼小泉三世内閣の千古罪人に値する教育基本法の改訂、1日の朝日新聞に百害あって一利なき中教審の鈍才どもの答申素案明らかに、と記事あり……ってこう書いたら「百害あって一利なき中教審の鈍才どもの答申素案明らかに」って見出しになってそうだが、まさか(笑)、答申素案の記事があっただけ。そもそもこの改訂が間違っていることは小泉三世の愚鈍さは今更述べるにも値せぬが文部科学省も呆れるのは教育基本法の改訂ばかりに熱心にて憲法に基づく法律でありながらその基本法原文すら文部科学省サイトで公開しておらず。つまり本当に基本法を吟味した上で改革必須と検討したのではなくたんに「どうしようもない」状況の五里霧中のなかでただ基本法変えればどうにかなる、という幼拙な発想に他ならず。だが悲しいかな問題は、その基本法の改訂に異議唱える側(だろう)=朝日新聞の記事読んでみると、これも文部科学省の幼拙さ加減に勝るとも劣らずの悪文で「内容が理解できない」こと。記事には「新たに法に規定する理念として『国を愛する心』など8項目を確定」とあり「法律(基本法を指す……富柏村)の冒頭にある『前文』を残して、前文か条文にそれらの理念を盛り込む方針を示した」と。おいおい、「前文を残して」って、この愛国心とか盛り込んだら崇高なる前文は残していないんじゃないの? それってたんに前文という項目だけ残して内容まるっきり変えて、だったら「前文を残して」って表現は間違っている……と思ったのだが、更に意味不明になるのはそのあとで、「素案は、前文を残す理由を『教育の基本を確立する重要な法律であることを踏まえた』と説明。法制定の目的などを引き続き規定するとした」とあり。これだけ読むといくら中教審で騒いだところで崇高なり理念は変えれまじか、と安堵したいのだが、だが更に追い討ちかける謎の表現が「日本の伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養を、『前文か各条文にわかりやすく簡潔に規定することが適当』としている」って、やっぱ前文を「弄くる」んじゃんよぉ、やっぱこれ「前文を残す」んじゃないし、すげー悪文、読んでもこんなのさっぱり意味わかんねーよ、とにかく文部科学省朝日新聞もどっちもかなり「ァッタマ悪り〜っ」てこと。たしかに法律的には「前文」をもつ法律というのは珍しいわけで憲法教育基本法は前文あり。であるから改訂に際しても前文という形態を残す、ということが焦点になることもわからぬでもなし。ただしこの前文というのは本文以上に法の根元にあたる精神の表明であるから重要なわけで、それがわかっているから今回の基本法「改竄」分子どもは前文にこだわっているわけ。だからそういう意図がミエミエなんだから、だからこそ「前文を残す」という表現は似合わず。書くならそのへんの真意に触れないといけない。で、その同じ教育基本法の答申を産経新聞が伝えるとどうなるか、というと「改正答申案『男女協力』を追加」と「過剰性差否定に一線 共同参画社会理念」となる。「新たな基本理念として「男女が互いに敬重し、協力する」と盛り込む方向性が示され、中間報告にあった記述を大幅に削除、精選し、「男らしさ」「女らしさ」まで否定するジェンダーフリー(性差否定)教育と一線を画した」そうな。H君の指摘通りサンケイというのはもっと大所高所(笑)から天下国家(笑)を憂う新聞だったはずなのに、このジェンダーフリー否定の書き振り、で問題の前文についてはこの記事の続きでさりげなく「また中間報告で先送りされた前文の扱いについては『基本法の重要性を踏まえて、趣旨を明らかにするために前文を置くことが適当』とし、前文に記された基本理念も『引き続き規定することが適当』とした。この結果、現行の前文を踏襲、もしくは加筆する方向性が示され、抜本的な書き換えは見送られた」と。これ読めば「理想は重要な前文ゆえ全面的書き換えが理想的だが今回は残念ながら見送り加筆に留める」という真意よくわかる。朝日の記事よかこっちのほうがわかり易いか。この改訂、これを認めたらもう日本は終わりだね、全て終わり。じっさい何の思考もないまま、つまりその段階で自立した個人としての責任放棄、それで根本法みたいの改訂とかで「何か変わるのじゃないか」みたいな淡い、拙い期待。小泉に何か期待して何も変わらないのにまだ懲りないこの風土。どうダメ。教育基本法の、その前文に何が書かれているか、もう一度読んでみませふ。
われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。
……って。この感覚と
日本の伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養
ってゆー箱庭的発想とどちらがこれからの「国際社会」(ダサい言葉)で必要なのか、どちらが合適しているのか、わからないものだろうか。何度も言うが伝統とか文化ってのは国家が規定できるものぢゃなくてセンスいい人の個人の素養、郷土愛と愛国心は並列できるものに非ず。
▼今日の朝日に「是か非かイラク攻撃」という記事。外務省顧問とかいう元駐米大使・栗山尚一センセのインタビュー「安保理は正義の場でない」、築地H君より「これがまた失笑ものツッコミどころ満載の低レベル」と。『それでも私は親米を貫く』の阿川尚之センセにも勝るとも劣らぬ親米論者、「こんなのしかいない」ならいっそのこと岡崎久彦みたく「ご無理ごもっとも。日本はアメリカの言う通りするしかないんでーす」といった感じになってくれたほうがいってくれた方が、正直なけマシ、とH君。それにしても栗山センセ見てると、いつから日本ってこんな国になってしまったのでせふ。急になったんぢゃないよね、ずっとそうだった、ただ敗戦ショックで戦後半世紀封印されていただけ、でも半世紀前と違うのは國體の在り処が米國になつたこと。彼らにとって結局、思想的基盤は右とか左とか尊皇か攘夷かなど紙一重どちらでもよく、ただ赤子健やかに眠ることできる母体としての國體あればよし、ってことだね。
 栗山尚一センセ  H君の常識
国際関係では武力行使がいかなる場合も絶対悪だと考えると、秩序や平和が守れないことがある。 国連憲章では武力行使が認められる場合をキチンと定めてる。それはつまり急迫不正の侵略に対する自衛行為と安保理決議に基づく国連軍の軍事行動。大国がルールを公然と無視するのでは、国際社会の秩序は守れず。
武力行使が必要なほどの差し迫った脅威があるのか?という質問に)その点は確かにある。しかし、10年以上も国連決議が守られない状態を放っておいていいのか。何も強制的な措置をしないのは結果として放っておくことになる。 国連決議を10年どころか建国以来(笑)無視しつづけてる国もあり。米国とて国連無視の横暴。栗山センセが「国連決議違反即攻撃」という新たな国際秩序を提唱されるなら、それはそれで一つの意見になるが、イスラエル放置との整合性はどうなる?法と秩序は何処?
ブッシュ政権内では当初、『国連は有害無益。国連抜きでやる』と言われていた。それに対して日本が『そうじゃない。国連を通すべきだ』と言ってきた。ブッシュ大統領も結局、国連を使うことにして決議1441を採択した。 これはこのインタビューの白眉、妄想炸裂! 日本の進言が容れられて国連利用に米が方針転換!?……まさか(笑)。人間の脳内では何が起っても不思議ではなし。小泉も川口も「国連決議が望ましい」とはいってったが裏では「通すべき」とまで言っていたか(笑)。仮に妄想通りだったとして、決議がなければ支持を取り消す? 結果はどうでも、最初から米国支持は決まってるくせに。だいたい「国連を使う」って何事? どういう根拠があって、アメリカには侵略もうけず国連も通さず勝手に戦争を起こせるのか?、素直な疑問。

国連安保理は大事な存在だが、そのお墨付きがなければ何もできないという立場は危険だ。安保理は正義の場ではない。常に正しい議論が多数を占める保証はない。 ……で、アメリカは常に正しい政策をとる、と?(笑) どこをどう押せばこういう馬鹿げたリクツが出てくるかね。この人の意見でいったら、国連脱退せよ、ってことか。自分に有利な結論が出るとは限らないから、そこでの結論には拘束されない、って、それじゃ国連加盟国としての義務も責任も果たせない。もう脱退しかないでしょうな。アメリカと一緒に第二組合でもつくりますか。「脱退するぞ」と脅して言うこと聞かせるってのは、ナベツネがいつも使う手(笑)

日本の平和主義とは何なのか、日本人自身が考えるべきだ。『いかなる場合でも武力を使わない』では、国際的に説得力がない。国連憲章だって武力行使は認められてるわけだから。 だ・か・ら・あ〜、国連憲章51条になんて書いてある? 栗山センセの脳内変換では「加盟国は自国の判断に基づいて、任意に他の国連加盟国に対して武力行使を行うことができる」とでも読めるのか? 「いかなる場合でも武力を使わない」という立場を批判することは自由だが、安保理でいま問題になってるのは「法で認められた条件を超えて恣意的に武力行使を行うことは許されない」ってとこ。外務省がこんな××××ばっかで、どうやってシラクを説得する? 政治家はブッシュとか小泉みたいなアホばかりでなし。
▼築地H君と、一党独裁、自由弾圧、腐敗といった悪を有する国家は成敗していい、というのが米国の理論ならその対象ってイラクとかもっと他に大国があるよな、とw。確かにね。でも中国の場合(笑)、少なくても集団による統治徹底されていてブッシュ独裁の米国よかまだマシ。全人大開催されるが一党独裁中国共産党とて江沢民襲ヒ国家主席就任のCoquinteau 胡錦濤氏、自民党でいへば宏池会から加藤紘一首班指名受けるようなもので、巨悪も跋扈する同じ利権政党でありながらテクノクラート集団の引導徹底されるだけ「変人お題目で改革叫ぶばかりでますます巨悪と化す」自民党よかまだマシかもしれぬ。