富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

癸未年正月初三日(月)曇。朝、ヴィクトリアピークにて正月恒例の發財 Fat Choy Runあり。参加。出発しKellett山廻り始めると急に気管支から肺痙攣したようになり呼吸しようとしても肺に空気入らずゼイゼイとひどい呼吸音、そ れに周囲の走者まで気にするほど。8の字コースで山頂のトラム站に戻ったところで棄権。1月12日のハーフに続き棄権。昨日のゴミ拾いの御利益なし。同じ く参加のT君の車で養和病院まで送ってもらい診断受けた結果、気管支炎で吸入措置。いい病院であるが何度行っても待合室に掛かるダリの絵は病人にとって不 安だし、今日の当直のY医師の診察室はジャッキーチェンの直筆ありで映画ポスターばかり。ヘンである。帰宅して昼に寶馬山のA氏宅にてO夫妻、Z嬢と春茗 に招かれる。A夫人のお世辞でなく真に秀逸な肴は余が今まで食した所謂「家庭主婦の料理」では最上、敬服するほどの味つけにて、酒は鹿児島の焼酎・伊佐美甲斐商店)と琉球泡盛・菊の露、どちらもいたって美味。マカオのエッグタルトに泡盛といふのがこれがまたいい組合 せ。沙田の競馬場にて正月競馬ありA氏宅を辞し馳参。途中、移動の車中、第4レースまで穴狙いのR3の複勝除き3つ勝ち幸先よく第5レース賀年盃に間に合 わぬが上り調子のRaiderをSize厩のCentury Starが迎え撃ち、やはり旧正月も一日も休まず調教に励むSize厩、CSの仕上がりもよくこの一点買いで本日4勝目。昨日のゴミ拾いのご利益出たのか(笑)R6も敢えて本命Kingston Winner(Size厩)外しSuper Brose的中、R7はスプリントシリーズの第1戦にて12月の香港国際スプリントの覇者All Thrills Tooが当然本命、これにそのレースで二着のFireboltと29倍のCape of Good Hope(喜望峰だ)を脚にするが「なんとなくイヤな予感」して連複やめてワイドとしたら Size厩のGrand Delight、1000m初走で一着、辛くもATTとFireboltのワイド取る。だんだんとツキが恐ろしくなり始めたが昼の焼酎と泡盛の酔いさめず R8はSize厩の印度之星が本命なのだが昨季より11戦3冠5亜0李3負(うち今季は2121)の Medic Corps、何故か12倍と冴えず、Size厩外してこれにしたら見事一着……とここまで絶好調。でR9百周年記念Vase (G3)、本命はまたもSize厩でDr More、来ないはずもない、という雰囲気のなか馬主C氏のDashing Winner、C氏にパドック内にも招かれ騎手Legrix君、伍調教師に新年のご挨拶、昨日5.7倍の二番人気が10倍まで下がる、が最近末脚よし、ど うにか7、8番手で最終直線に来れば追上げ期待でき。で、三頭目は同じく知古の馬主W氏のGoggles、第一班にて強豪馬に苦戦、今季未勝とイマイチだ が本日三勝しているWhyte、Gogglesに初騎乗はかなり面白く、DWの複勝、この三頭のQ、QPばかりか普段は買わぬTrio、酔いに任せて正月 のご祝儀でTierceまで勝ったら、これが凄いことにDr More、Dashing Winner、Gogglesと来た……とくにDW、騎手Legrix君のスタートから位置取りに難あり10位で最終コーナーまわってから最後300mで 一気に二着はDW素晴らしい出来。馬主C家族は「ダッシュが遅すぎる」と渋い表情、確かに中間につけていたらDr Moreとのこのクビ差、勝てたはず。惜敗。だが余の馬券は大当たり。HK$10当りの配当はDWの複勝HK$26.5、この三頭でのQ(HK $212)、QP(HK$79、HK$47.5、HK$146.5)、Trio(HK$542)、Tierce(HK$2,454)、馬券全部あたり今季 の赤字取り戻して、まだお釣り。大変なことになっている。これから競馬の前は予想などせず山のゴミ掃除にすべし。ここまで当てて最終レースに儲けをドンと 賭けるのがプロだろうが怖くてできず、かといってここでやめて帰る理性もなく三点買でQとQPだけ買ったらこれも2頭入る。結果、R3除き買った馬券が全 部当る奇蹟。馬場から自宅までタクシーで帰宅するとか、帰路シャンペンでも買って帰るとか、寿司屋に直行とか出来ればいいが、負けてむしゃくしゃしてタク シーに搭りたがる余は大勝ちすれば「こういう日にウカレてはいけない」と地味、帰宅まで勝った余韻長く味わいたく乗合バスに揺られる。昼の酒と肴美味すぎ て晩にあっさりと煮うどん。
▼日本は節分と築地H君より報せあり成田山恒例の豆まき、新横綱朝青龍や「NHK大河ドラマに出演中の市川 新之介さん」らが登場、と。他 ならぬ成田山成田屋の跡取りを相撲取り、いわんや「同じく大河ドラマ出演中の米倉涼子さん」と同格の扱いとは如何なものか、とH君。御意。確か に朝日新聞のサイトみ ても朝青龍はいても成田屋は紹介されておらず。罰当たり。
朝日新聞といへば『アエラ』書評にて大江健三郎君の小説酷評し大江君大人げなく立腹、社長の一声にて、 「鶴の」といったら鶴に失礼、編集長更迭あったが今週号の『アエラ』、表紙写真に大江君、これで手打ちか、唖然。
朝日新聞の話題ばかりで恐縮だが朝日新聞の系列の朝日ニュースターなる記者会見速報会社、朝日新聞に掲載される広告が何故 かいつも東京都知事。天敵の肖像使用の意図は何か。
1 何も考えてない
2 じつは日本の政治のキーパーソンと思い社を挙げて(社長が?)応援
3 危険人物の危険発言相次ぐため必見と
おそらく1か。こういう姿勢が森巣博氏の視点から見ると信じられないマスコミの姿勢。
▼昨日だかの朝日に小泉三世靖国参拝の関係記事あり、首相参拝の疑問は中韓に限らず政府高官(名前明かされず)がG8加盟国の大使(やはり匿名)に「個人的心 情からの参拝だ」と釈明したところ、この大使「靖国神社裏の展示館に行ったことがあるか」と問い詰められ「ない」と答えた高官に大使「あそこに行けば、あ の神社の性格がわかる」と首相参拝に不快感示し「米国にもそうした雰囲気はあるようだ」と述べた、と。政府高官は外務大臣、大使は英国、が余の予想(当っても配当もないが)。ところで「靖国神社裏の展示館」とは真に失敬なる誤認、国辱。だいたい英霊祀る神社の本 殿の「裏」に展示館など作ろうはずなし。伝統的に神社にとって本殿の背後には神聖なる森が広がるもの、靖国神社に於ては林に桜と花菖蒲あり、その裏にある のは「展示館」でなく妙法寺なる寺の道場、NTT九段会館金光教靖国神社にあるのは遊就館(このサイト、心臓の悪い方はお勧めできませぬ)にて、此処は参道から本殿に向かって右、北側。この大使が言及 したのは此処のことだろう、が、ここを参観もしたことないとは日本国の政府高官として甚だ未熟者、きちんと靖国を知ってから釈明などすべし。これについ て、英霊がお国のために貴き命おとした歴史を伝える展示館のどこが毛唐大使に非難される筋あいあり?と思う方もおられようが「今、蘇る日本近代史の真実  戦争を知らない世代に伝えたい、この感動……」といふ遊就館のコピー、此処の性格をじゅうぶんに反映しておろう。これではとても敬虔な畏き鎮守の処とは思 えぬし、小泉が日本人の信心を理解してほしい、といっても、これじゃ無理。
▼今更どーでもいいのだが蘋果日報の蔡瀾の連載、60年代特集が終わったと思ったら今度はSPCA(動物愛護協会)について三、四日連続。動物を可愛がることもSPCAが多くの人の支援要することも事実、だが新聞 ならそれを記事にできるのであり、「香港一高い原稿料」の人気随筆家が、しかも今日のものなど終始、SPCAの歴史、入会金、服務内容の紹介に尽きて最後 にSPCAの連絡先。本人は香港にて人気高い自らの随筆であるから、自らが書くことでSPCAへの感心高まれば、の素直な気持ちだろうが、断じて「それは 随筆ではない」。どうせ紹介するなら蘋果日報の編集部動かして自らSPCA訪問の写真入り特集記事にでもして副刊にでも載せるべき。書くほうも書くほうだ が蔡瀾にそういう指摘もできぬ蘋果日報の「朝日の大江モード」もかなり悲惨。