富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-01-08

一月八日(水)晴。厳寒続く。正月も三が日過ぎふと年賀状なるもの一葉も受け取っておらぬことに気づ く。曾て小学生の頃か正月二日に年賀状配達あるのを心待ちにし玄関の郵便受けに年賀状の配達ありし事をその年賀状の束がドスンと音たてて玄関に落ちたこと で知り駆けて参りて年賀状を母に渡せば百枚単位のその束を紐解き家族毎に年賀状を一枚ずつわけ家族それぞれ自分宛の年賀状を見ては甲さんにお子さんが生ま れただの乙さんは結婚しただの引っ越しただのと話に花が咲きし日々。今日になってようやく東京中野に住むネパール人のF嬢より賀状届き余のサイト見ている ので近況は何となく知っています、と。年末年始はF嬢、件の「王宮殺戮事件」発生から初めての帰省にてカトマンズとのこと。晩にHappy Valleyにて競馬あるがこう寒くては自宅にてテレビ観戦。一ト月半か久しくHappy Valleyにて観戦しておらず。R7は一月杯(一班1800m)あり人気は8戦2冠2亜4負Size厩 舎の心願(Dye騎手)、調教の時計もよくいい仕上がり、懸念はトライアルレースで5着なのとHappy Vallryが初戦。対するはAllan厩舎のCome See You、12月の香港カップ(G1)に まで出たが89倍で9着と振るわずとも腐っても重賞馬、そのプライド以外は調教がいい程度であったが出走5分前にCSYのオッズ、6倍から3.4倍まで急 降下し心願を抜き一番人気。すでにSize贔屓で心願を買っていたがふと見たらこのCSY、Happy Vallryは4戦1冠2亜1季0負、1800mは1亜1季でこれは「負けた」と直感したら案の定CSY一着で心願は埋没。どうにか他7戦で2冠1亜1季 3負でそこそこ黒字。勝ちはいずれも僅差でAdmiral(呂/William)とCheeky(何/韋達)。R4にて伍さんの厩舎の進勝、今季7戦1勝 1亜2季3負とそこそこ好調にて12月最終戦が韋達騎乗で初勝、だが李格力君騎乗だから?19倍と失礼なオッズ、でも単勝は買えないのはZ嬢理論でも李格 力君の勝ちパターンが賭率10〜15倍のため、複勝にしたら二着で4.3倍とこれは美味しく頂く。かういふ晩に競馬場にいると李格力君が赤ら顔を更に赤ら め優勝騎手より興奮して凱旋する姿に歓声送れるのに残念。競馬といえばMacのノートブック期待裏切られ遂に覚悟を決め初めてMacに浮気してSharpMuramasaを買う決心つき妹に買って送ってもらおうと日本に電話すると妹が有馬記念シンボリクリスエス軸で脚にタップダンスシチー組んでいたこ とを知る。脱帽。朝日の音楽評にバッハの無伴奏チェロ組曲の1〜3番をホルンで吹いたCDが話題呼ぶボバラークなる26歳のチェコ出身の注目のホルン奏者 の記事ありベルリンフィルの首席奏者に大抜擢と。このCD探すにもバボラークなる名のローマ字書きがなければ一苦労、Bavorakと調べCD注文。人の 名前のローマ字綴(中国の場合は漢字)と映画の原題を記載できぬものか。
ミノルタコニカ経営統合。それにしても朝日新聞でこの一面トップ記事でコニカ紹介を「カメラやフィル ムを主力事業として1873年に創業」と。書いた本人は文章力欠如としても組織として誰か一人くらい、これがヘンな文章と気づかぬものか。見識疑わざるを 得ず。江戸末期に江戸で米穀商であった杉浦家開業せし薬種問屋が1873年に写真材料の取り扱い(当然輸入品)を 始めたのが創業。1882年に写真暗函(カメラ)、写真台紙、石版器材の国産化に着手。「1873年に当 時舶来であった写真材料の取扱いを始め、後にその国産化に着手、カメラやフィルムを主力事業とする……」と書くべき。余の世代にはまだ小西六という名に馴 染みあり70年代にストロボ内蔵カメラ「ピッカリコニカ」と今では当たり前の24枚撮りフィルム(それまでは20枚)のヒットで社名もコニカとする。それ に比べてミノルタについては余は何も知らず。創業者が実田さんで、と安易に想像したがそれは田嶋さんで、ミノルタはMachinery and Instruments Optical by Tashimaの略(かなりきびしいっ)、但し創業者の母が「稔るほど頭を垂れる稲穂のように常に謙虚であれ」と言ったのを肝に銘じ 「稔る田」の意味もあり、と。ただこの母の格言は「謙虚であれ」であって「田が稔る=繁盛」ではない、と思うは我のみ、か。母の言葉をそのまま社名にした ら実穂(ジツホ)かsounds good〜!なら「イナホ」。ホンネは儲かりますように、で「稔る田」、それじゃ下品だから母の教えを含み英語でコジつけた、といふところか。いずれにせ よ統合での名称はコニカミノルタホールディングスと早口言葉の如し。どうせならこの大規模統合の成果は稔るか?で「ミノルカ」が好し。誰でも思いつく か……こんなゴロあわせ。
▼年の暮に投宿せし広州の白天鵝酒店、珠江の川岸に臨むがこのリバーサイドに突然多数の水 蛇珠江より上がり始め大騒ぎ(蘋果日報)。毒性はないが噛まれてはすわ大変と職員狩り出され三時間格闘し て長さ40cmから90cmの水蛇、三桶分収穫と。気温四度と寒さ厳しくこれで晩餐は豪華「蛇宴」と職員笑う(蛇料理は 冬の味覚なり)が何の突然変異かといへばこのホテルより川上300呎ほどに水産市場あり、そこに前日或る男二人づれ現れ三万元(約50万円)で1頓の水蛇購い即刻珠江に放流、と。水蛇一匹50gとして約20,000匹。まか不思議な御仁。
▼あなたは自分を何人だと思いますか?といふ香港大学による調査。中国人意識の高まり、って結果ね。台湾独 立については15%が台独支持、67%が反対(ちなみに97年調査では57%が反対)、これも中国人意識 の高まりもあるが李登輝のあの「日本人」ノリじゃ反発もあろう。

香港人
中国の香港人
香港の中国人
中国人
その他
2002年12月7日
30.0%
21.7%
14.7%
31.1%
2.5%
1997年12月7日
35.9%
23.6%
19.9%
18.0%
2.6%
そういえば中環の旧総督府坂上にある香港動植物公園、此処に英国ジョージ六世(エリザベス2世の父君)の銅像あり。歴史的ではあるがこれが中国香港にはそぐわぬとして現在、これを除去し屯門の 公園にある国父・孫中山銅像を移転しては?といふ案が真面に浮上。それにしても帝国主義侵略は支那の不幸としても香港繁栄は英国が齎したもので英国あっ ての香港、この程度遺してもよかろうに。毛沢東像でないことがまだ救いか。
Apple社からMacintoshのノートブックG4の新機種発売。PowerbookG4の発売から 早2年、iBookの失敗、その間にSharpMuramasaだの軽薄なる洗練され たノートブック発売されAppleがどう対抗するかとWin陣営への移行思い止り一日千秋の如く待つ。その結果がこれ。呆れてモノも言えず。今 どき17inchのノートブックなど誰が持ち歩こうか、12inchとて「世界最小、最軽量のオールインワンノートブック」と宣ふがMacPowerbookの中で、の話であり井の中の蛙Muramasaの厚さ14mmに対して30mm、重さ1kgに対して2kgでは誰もがどちらを選ぶか は必然。世の中が何を所望しているのか、Macという鎖国世界の中で完全に盲目。もはやここまでか。
▼明日だか明後日発売の『噂の真相』、トップ記事は「対北朝鮮強硬路線で「次期首相」を狙う安倍晋三の危険 なルーツと背後関係」だそうな。小泉君は印象派なだけで改革はできぬが少なくても安全ではある、がこの安倍先生は実際に権力握ったら怖い。剃刀後藤田がそ の強靱な異名とは逆に実は安全剃刀であったのとは反対にかういふ「最初に権力ありき」の家に育った坊やたちは戦争も真の抗争も知らぬぶん怖いもの知らず。 怖い。日本の「その他多勢」に詳しからぬ余にH君曰く党内勢力の「抵抗勢力」のニューリーダー古賀誠前幹事長がポスト小泉に谷垣禎一を指名とか、と。谷垣禎一君、実に宏池会的なお顔、これを今後「宏池顔」と云おうか、余は知 らぬ御仁であったが東大(法)出て官僚にもならず在野で弁護士開業、加藤紘一の腹心でいまの自民党ではい ちばんマトモな選択、と。ただサイト見たが富柏村サイトより閲覧者少ないのはマズい。唯一、自民党で常識的な選択?で谷垣総裁・亀井幹事長・古賀総務会 長、で野中副総裁に小林コーキ政調会長、小林君の「住基ネットは本人選択制」を自民党の政策に。小林君も警察出身と思えば後藤田、亀井、小林と警察出身者 は権力がリヴァイアサンであるというリアルな感覚を抱くか(とH君)、確かにお坊っちゃん系の国防キッズ にはこれが決定的に欠けてる。今にしても思えば保守本流宏池会は理想的リベラル。加藤紘一失脚はまさに自民党内部でのそういった良心の排除。宏池会的な 政府であれば、かりに共和制が実施されていて「ミスターが大統領でも加藤紘一が首相だから、まあ大丈夫だろう」と、そういふ明るいRepublic of Japanがあったかも。
▼同じ『噂』に「『週刊朝日』と『アエラ』編集長解任! 朝日新聞箱島社長の独裁権力の野望」とあり。日本 の良識、リベラルを標榜するこの新聞社が実は企業形態としては曾てのセゾンと並び称させるほど不透明な権力機構。少なくても「独裁」とはっきりわかるナベ ツネ読売のほうが透明か(嗤)。さういへばセゾンとて経営者は堤清二といふ日本の財界では良識、リベラル と評判の文化人であったわけで偶然?
この日剩にたびたび登場する
香港競馬の超有名人「譚さん」
12月26日の競馬で電子金龍を祝福のお姿。
凛々しいです、実に。
譚さん、じつに演出上手なのはこの勝負服を来て来場していま すが
返し馬での応援でもジャンパーを着たままこの勝負服は見せ ず。
電子金龍が一着でゴールすると、
そのゴール前で颯爽とジャンパーを脱ぐ。
そして人々の注目のなかで
こうして凱旋する電子金龍と騎手フラッドを祝福。
「この人は誰?」って中村雁治郎と老け役の泉ピン子 じゃありません。
まだ生きてたの?と思いますが元党主席華国鋒と夫人です。
毛沢東の後継者……ただなぜ華国鋒なのか?と考えると
これは林彪失脚よりもっと理解に難い謎です。
偉大なる毛主席の後継者ですから誰がなってもシコリがある。
それなら、と絶対にシコリがない宇野元首相的な暫定で選ばれ たのか、
いずれにしてもすぐにいつの間にか政治の表舞台から消えてい ましたが
こうして、あ、これは毛沢東生誕109年記念式典
なぜ109回を祝うのかわかりませんが偉大だから毎年祝うの でしょう。
まさか人間には108つの煩悩があって
109周年で毛主席の煩悩が消えた、ってお祝いではないは ず。
華国鋒氏は党主席だったのだからこうして晴れの場に現れま す。
下の写真、こっちは中央が毛沢東の娘、李敏。
注目すべきはその右の老いても美しき女性。
毛沢東の秘書を長年務めた張玉鳳女史。ほんとうに美しい。
毛沢東の主治医であった女医李志綏が米国に移民し『毛沢東の 私生活』(文藝春秋)という
毛沢東の皇帝色を好む私生活の暴露本を上梓して数ヶ月後
シカゴの自宅で遺体となって発見され、この本は中国では発売 禁止。
そういったわけでこの張玉鳳だって彼女だから知る真相は凄い のでしょうが
彼女はそれを語らずこうして引退後の今も厚遇されておりま す。