富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月十四日(土)快晴。黄昏に月本夫妻と粗呆区のDocaだかBacaだかいふ酒場に一飲。Z嬢加 わり私房菜(無許可の自宅開放型飲食店)のなかでは老舗となった中環の黄色門 Yellow Gateに食す。予想以上の秀逸なる料理の数々。前菜には甜酸小黄瓜、麻香萵筍、川鹵鵝掌、孜然排骨、漕毛豆、涼拌豆腐、蒜泥白肉、辣香銀魚の八皿が並び どれもこれも酒飲みにはたまらぬ味付けの肴、それに川式燗元蹄、葱辣蝦、清炒時菜、宮保銀雪魚、南瓜緑豆湯、八寶鴨と主菜が続き山椒の効いた四川炸醤麺と 甜品。ここまで至れり尽せりの料理で一人HK$200と破格。信報に随筆綴る老板の劉健威氏現われ歓談す。食後 ECT Ice にてジェラートし余は隣りのPacific Cigarにて葉巻一服。月本氏のホテルに戻りS氏加わりロビーのバーにて一飲。不況だの観光客減だのといふがホテルに人の溢れ賑やか。
▼月本氏と浦安ディズニーランドの話となりお互い弁解がましく「一度だけは行ったことがある」といふ話にな り今でもそうなのかどうか20年近くも前のことなのでよく知らぬが弁当を持参するとディズニーではあくまでディズニーの夢と雰囲気を売るがためお手製の弁 当はこの園に馴染まず一旦外に出てピクニックエリアだかで弁当食せねばならぬといふ事実、みんなが子どもの純粋な気持ち(笑)に戻るがため酒も一部の限定 施設除いて不可、など夢だの歓びだのの名の下に不自由甚だし。ディズニーの雰囲気といふのなら、とZ嬢、海苔を上手く使いミッキーマウスの顔のオニギリを 作っていったら如何か、と。厚昆布を丸く切って耳にしてね、と余も冗談言ったら月本氏隙かさず、ディズニーなら園内にてそんなオニギリ発見しようものな ら、その場で即刻「はい、登録商標無許可使用で損害賠償三億円」とかとなるのでは?と。御意、笑不止。
▼立法会にて北京御用団体の工聯会議員が先日カソリック香港主教の陳日君について陳氏の徹底した自由擁護の 姿勢に対して老人痴呆症などと侮辱したことに対して支聯会主席で民主党議員の司徒華氏反論。現在、香港政府が推す基本法23条立法化にあたり、これで非合 法とされる活動を中国共産党とて全て犯したもの、と。司徒華曰く、1949年の建国以来、中国の国家安全は外敵からの脅威に非ず寧ろ土改、三反五反、反革 命鎮圧と粛清、反右派闘争に文革とつねに国家の犯した行為により人々が生命を堕とし家族離反の憂き目に遭った、と。また建国後の戦争も対ソ珍宝島紛争、中 印、中越戦争にしても中国国内では発生しておらず中国人民が国家保全に当る必要もなかったのが事実。中国共産党にしても第三インター支部として結成され その本部からの指令や援助を受け、ソ連から軍事顧問を招聘したなど、これは明らかに23条立法が規定する「外国政治組織との連携」に該当し、20年代に江 蘇省にてソビエト誕生したことも明らかに中華民国政府よりの国家分裂。国家主席劉少奇ですら国家転覆の罪にて命を落とし、最近ではエイズ撲滅運動する萬 延海氏がエイズ感染患者数を暴露しただけで国家機密により逮捕される。こういった理性的行為が国家顛覆で罪を問われたのが中国の現実、と。毛沢東がかつて 日本からの客をまえに「日本が中国を侵略したことにお礼を言わねばならない。共産党はこれを機会に蘇生し強大になり政権を奪取できた」と語ったといふが、 これも23条立法でいえば叛国の言論であり毛沢東造反有理唱えることもこれは扇動叛乱でないのか、と。御意。このような23条立法が全く不要。