富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2002-12-10

十二月十日(火)晴。寒さいくらか和らぐが昨日は凍死者4名(冗談 に非ず)、極寒の地にては摂氏11度など温暖だろうが、人間の身体も感覚もいかに皮膚感覚かを物語る。晩に北角の寿司加藤にて食す。番組の 姿勢が嫌いだといいながらプロジェクトX見てしまふ。スバル360は我が父も初めて購入したマイカーにて、我がまだ幼稚園児のおり「お迎え」など来たこと もなき父が幼稚園の前に佇んでおり一瞬なにか親族に不幸でもあったかとヒヤッとしたが普段見たこともなき優しい笑顔にて、その父の背後にスバル360泊 まっており園児たちの羨望の眼差のなか父親が運転するスバル360に乗って幼稚園を去る、といふまさにプロジェクトX的光景だったのは事実。よい時代。そ れはそれでいいのだがプロジェクトXの甘さはそれの讃美ばかりで、じゃ何がまずくて今日に至ったのか、という視点なきこと。されどこの番組の人気の秘訣も 厳しい現実を忘れ過去の栄光「のみ」彷彿することにて癒されることと思えばそれでいいのかも知れぬ。
▼日本人時計技術者先月末にキャセイパシフィック機にて東京より香港に向かう機内にて通路歩行中スッチー北 京語にて「お手洗ですか?」と尋ねられた事に怒り胸ポケットにあったパスポートにてスッチーの眼を叩き口汚く罵り香港到着後に警察に拘束され昨日判決懲役 1ヶ月の判決出て求刑聞き法廷にて卒倒、と。日本人に対して北京語にて話かけたことに対して不服だったのか、この男、理解できぬは自ら北京語にてこのスッ チーに麦酒注文しスッチーはこの客北京語堪能と認識しており、しかも罵る際も北京語を用いた、と。愚劣さは菊の紋章輝く日本旅券を用いて叩くといふ国家主 義威光にしたキチガイぶり。無期懲役に値す。
▼知古の朝日新聞記者U氏、かつてテヘラン駐在の頃に日本への復路にてぜひ香港にもお立ち寄りを、と言って いたら日本に戻られてしまってかなりたつが北京より北朝鮮関係の報道あり。ご活躍なりより。記事は、朝鮮通信によると朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)の 朝鮮中央通信は9日「故郷訪問として日本に行った拉致関連者5人を家族、親類のいる共和国に戻すよう求める声が、その家族たちと日本の社会で日増しに高 まっている」と報道した、と。こういった報道が共和国国内にて流れ、それを聴いた者は「ああ、日本では共和国に戻さないよう求める声が日増しに高まってい る」と解すのか、プロパガンダ報道に慣れた共和国市民はこれをそのまま信じるのか、わからぬ。
▼築地のH君より神浦氏の軍事解説 サイトからの引用届く。以下、引用
軍事や政治がからむと、意外とこの手の本は多い。資料や情報が不足する と、勝手な想像で膨らませるからである。そのような著者の中には、意図的に創作を事実(取材)のように書くものもいる。そして究極でいくつく先は、UFO や超常現象にたどりつく。流れてきた桃を持ち帰り、家で切ったら男の子が出てきた。(桃太郎)。光っている竹を切ったら、女の子が出てきた。(かぐや 姫)。創作であっても、むろん名作は多い。読んで困るのは、創作を事実のように装われることである。この前テレビで、北京大学の国際関係論の大学院に留学 中の日本人女性にインタビューしているのを見た。「なぜ、国際関係論を勉強する気になったのか」という質問に、「0000さんの本を読んで国際政治に興味 を持ちました」と答えていた。○○○○さんとは、想像したことを事実のように書くことで有名な人である。彼が取材と称して、中東のある国を訪問した際、現 地語の通訳として全行程に同行した人を知っている。その人は○○○○さんが書いた本を読んで驚いたそうだ。「うそ800」だったからだ。しかし、その本は 日本でベストセラーになった。
この○○○○さんは「国際ジャーナリスト」の○○○○?とH君。多分そうであろう。○○○○よんで北京大学 に留学するまでになるんだからスゴイ。ひょっとして松下政経塾に入って民主党の代議士になったりしてる人の中にも落合信彦よんで国際関係論に興味をもった 人がいるかもしらん、とH君。笑えぬ憶測。
かなり不鮮明であるが数日前の蘋果日報に掲載されていたシャープの全面広告。シャープ =日本企業といふことで質の高いテレビモニタを日本のイメージにて日本らしい庭を眺める日本家屋に置いたまではよかったが何故かそこにいる僧はビルマかタ イの如き袈裟を着た僧。日本とこの僧をつなぐ糸といえば『ビルマの竪琴』だろうか。そういえばこの作品は『ミャンマーの竪琴』とは呼ばぬが、この広告、お そらく日本企業であるシャープがミャンマー工場にて完成させたモニタをビルマの高僧が愛でている、とすれば理解も容易か。