富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月十七日(土)薄曇。熱帯性低気圧近づき多雲ながら海に赴く。往路のバスに新聞三紙を忘れる。石川淳『夷齊筆談』数頁読むが午後より気持ち良く晴れとても石川淳の日本語が頭に入らず麦酒飲み夕方まで微睡む。晩に某大学関係者と北角渣華道街市の東寶小館。在港邦人は他の街市の熱食中心など絶対に赴かぬが日本から客が来るとこの東寶も街市にあることで「街市で食事」を見せびらかすことができるためかなりご用達。確かに個性的な粤菜であり値段も恐ろしく廉価にて当然のように七時前には爆満となりそれでも半時間も一時間待ちでも客が溢れるのは驚くばかり。そこまでしてこの店で食したいか。終わってこの席にて邂逅せしI嬢、M嬢、T嬢ともう少し飲もうとZ嬢呼びQuarry BayにてEast Endにて歓談。三嬢と別れZ嬢と深夜更にもう一軒にて痛飲。
愛媛県の扶桑社版歴史教科書採択、本日の朝日によると、実はこの教科書は県内中学校長や市町村教委委員長らによる事前の審議会において乙に評価された四社の一つ(甲は東京書籍)であり、県教委は審議会の評価を「あくまで参考資料だ」と説明するが、その扶桑社版を敢えて事務局案として提案しそれを田舎漢の委員六名が全会一致で採用する茶番劇。井関某は「我が国の文化への理解、国民としての自覚を深める」などといっているが昨日も述べたように史観の問題でなく程度の低さ著しき教科書にてそれを敢えて採用するは「我が国の文化への理解、国民としての自覚を深める」などというセリフは大義名分にすぎず。愛媛といふ自民党一党独裁においてただ政治的にこの教科書が採択されていく課程を鑑みる心境なり。憂国