富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月十八日(月)雨。熱帯性低気圧更に近づき不穏に屡々盆雨となる。晝にかけてジム。Z嬢と銅鑼湾の文輝墨魚丸にて紫菜四寶粉。銅鑼湾の文輝からVictoria Parkにかけてジャカルタの繁華街にも優るとも劣らぬほどのインドネシア系の女中たちが集う。中環の比較的場所にゆとりのあるマニラぶりに比べ銅鑼湾ジャカルタぶりは狭い歩道だの歩道橋の下だのに娘ら集いかなりの密集感。買い物。夕方寓居の日曜大工。QueenのライヴのVCD観賞。中学生の時Queenの何を聴いて愉しんでいたのか今になって佳さをしみじみと感じる。モハメド=アリがヘビー級の世界王者となった対Luston戦(64年)、ベトナム戦争反対での徴兵拒否により王座剥奪され刑務所に入り復帰して再び王者として奇蹟のカムバックを果たした対Foreman戦(74年)、宿敵FrazierをR14でTKOしての防衛戦(75年)この三戦がVCDとなっておりかなり前から購入して観戦と思いつつようやく今日購い観戦。75年のFrazierはテレビ中継で見た記憶があるがこのForeman戦はじつは"PLAYBOY"誌の日本版が創刊され当時の中学生にはかなり刺激的な成人誌だったのだが中学生にもこの雑誌がヌードばかりでなく洗練された「大人の」記事が並ぶことが判り創刊号から「ザ・ファイト」だったと思うがNorman MailerがこのAli vs Foremanを追ったドキュメントが連載されていて当時それを読んでいつかこのForeman戦を映像で見てみたいと思って二旬を経て遂に拝む。それでなくても我にスポーツの感動を表す言葉なく、ましてやアリのボクシングを言葉で綴るような手腕はとてもなし。
▼地下鉄MTRの将軍澳線開通。藍田よりかつては九龍の外れであった海鮮で有名な鯉魚門に近い油塘、国民党部落であった調景嶺を抜け将軍澳の新興団地へと向う線。鯉魚門といえばかつてはここまで海鮮を食しに来れば場末も場末、海底トンネルがまだ一本だった時代にはかなりのドライブであったもの。調景嶺など香港返還で国民党部落は消える運命と思われ12年ほど前に当時の朝日新聞の香港特派員だったTさんが双十節の取材に行くのに西湾河より三家村までフェリーで渡り小舟を雇って調景嶺に行くかと算段していたほどの陸の孤島。そこに地下鉄が通ろうとは。