富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月三十日(日)薄曇。Z嬢と珍しく日曜日の昼間にショッピングセンターにて家電の買い物などすればユニーでランニングクラブのO夫妻、中環エスカレータで同じくK夫妻に遭う。昼に擺花街の羅富記にて雲呑麺、炸魚球。ミッドレベルはPrince's TerraceのChouninard Galleryにて内蒙古の画家・Deng Xiao Hongの個展。夕方ジムに行けばW杯決勝始まる19時前にはジム閑散とし旺角の街もふだんの喧騒が嘘の如く彌敦道も閑散。W杯見ようと家路急ぐが金鐘のタクシー乗り場は長蛇の列、タクシー一台も現れず(笑)運転手、車など走らせて営業しておらず。バスは金鐘道渋滞し走りもせず何かと思えば花園道を上る筈のバスが路線変更あり明日の返還記念式典にて国家元首級が来港し道路規制らしき。まことに迷惑甚だし。何が人民のための共産主義を標榜する国家か、市民生活を妨害するべからず。帰宅遅れ後半戦より観戦。伯剌西爾1.45倍、独逸4.5倍が伯剌西爾先制点入れれば伯剌西爾1.10倍に対して独逸21倍まで急落し英国のブックメーカー伯剌西爾優勝を確定。伯剌西爾追加点入れ優勝(祝)。五月末の予選開始前に四番人気の伯剌西爾の優勝を誓った(五月二十五日の日剩参照)は我ながらお見事。伯剌西爾優勝せばY社長、酒場トンズラI君にMoet Chandonのシャンペン、Q姐I嬢D嬢に晩餐を振る舞うと豪語したことが悔まれるが優勝はまことに目出度し。
▼暴走する芸人・謝霆鋒君度重なる交通事故、暴走(四月十三日、五月二十八日などの本日剩参照こと)続けしは昨日マレーシアでのコカコーラ広告撮影へ向う空港への高速にてAudi大破させ病院にて救急措置。まさに死に急ぐが如き。昨日謝君のマンションのまえを走り通れば午前中というのに(つまり夜型芸人にとっては在宅時間)蘋果日報などの蝿記者湧いておらず珍しきことと思えばすでに事故発生せし時刻にて記者現場へと向っていたか。
▼South China Morning PostにてFrank Ching曰く、返還から五年の董建華君の施政の最も大きな問題は董君の施政での揺らぎと優柔不断にて、二期目の内閣制はそれを補う上では有効に作用するのではないかと予測。さうあればよいが。
▼経済紙『信報』(明日祝日にて休刊)社説は返還から五年の董建華君の施政を「家長制的勝利、民主化的挫折」なる題にて論じ香港と中国の経済方面での関係の密接化評価しつつも香港の特色である民主、自由、法治と人権は本来内地の模範になる筈が(登β小平の掲げた五十年普遍と中国の香港化は正にそれ)民主化は後退し自由は受損、法治は褪色。論者もマスコミの一人として有形無形の圧力がありマスコミの自主規制も甚だし。もし香港がこのまま深センのようになり大陸の一都市のようになりどう一国両制などと言えようか、と。
▼立法議会にて政府提出の反テロ法につきテロ襲撃のデマを流したり市民によるテロ分子密告の奨励、テロ組織への資金提供の刑事責任、法執行人員の調査権力などにつき民主派議員からこれらの警察国家的な規制の緩和に意見あり、それに対して保安局長葉劉ゲシュタボ淑儀は「議員らの提唱する建議を受入れれば反テロ法はテロ保護法になる」と一蹴。この反テロ法まさに戦前日本の治安保護法の如し。香港の場合殊に懸念されることはこのテロが拡大解釈されれば北京中央を非難することも国家転覆のテロ分子といふ範疇に置けることなり。