富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月八日(土)快晴。海岸にて読書。一旦帰宅してジムにてBodypump、Bodycombat。Z嬢と中環Wellington Stの餃子縁。今晩は停電なし(笑)。あらためて美味いと思ふ。長白山の野兎肉や興安嶺の鹿肉など珍味もあり。
▼個人情報法案今国会成立を政府与党断念。防衛庁の個人情報リスト問題に加え小泉純一郎「試案好き(笑)」読売新聞の修正試案(たかだか一新聞社の私案!)発表を受け御用学者大臣竹中平蔵に修正検討を指示という国会軽視どころか三流ぶりが露見、国会審議も中断し僅か七時間のみの審議。文藝春秋にまで反対される拙法とりあえず回避さるる。
▼有事立法も見送り。自民党代議士森岡正宏は新潟で開かれた衆院有事法制特別委の地方公聴会にて反対表明した大学教授らに「反対しているのは大学の先生ばかり。日本の教育はどうなっているのか」と批判。寧ろ「賛成しているのは自民党の先生ばかり。日本の政治はどうなっているのか」と思うが如何に?。そもそもポスト911テロの時代にあって大規模な軍事侵略を前提とした有事法制など時代錯誤もいいところ。ダサい。
▼大規模な軍事侵略といえば官房副長官安倍晋三が「憲法上、原子爆弾ICBM保有できる」と発言したと週刊誌に報じられしことについて語る(朝日新聞)は「これは早大から講義の依頼があり学生にいまの政治の話をするのは意義があると考え発言を一切外に出さないことを学校側も了解した」上での講義であり「それを週刊誌が報じたことは学問を自由を侵す」と。そもそも学問の自由とは学問研究に<権力>から圧力がかかることを却け一切の拘束なく学問できること、大学の研究者が「憲法上、原子爆弾ICBM保有できる」と言うのはひとつの学説でありそれが圧力をかけられぬわけで、政治家が場所が大学だったからといって発言をマスコミが取上げたからといって「学問の自由」を持ちだすか?。寧ろ羽仁五郎翁の言ではないが大学は最高学府たるもの、そこで宣われた発言は寧ろ博く流布され知らしめられるだけの価値があるから大学の講義にて、そこでの漏れて動じる程度の発言ならするべからず。
▼一新聞の私案に動く首相、有事立法成立に命をかける代議士、学問の自由を誤解する官房副長官……政治家の知力の低さにただ呆れるばかり。しかし最も深刻なる問題はこういった政治家に政治を委ねる日本の市民の(……というか思想的に自立した市民というものがはたして存在するのかも疑問だが)この個人情報保護法案に対しての関心の低さであり、松井茂記(大阪大教授・憲法学)が言うように「行政は市民の人権の守り手であって侵害するような危険な存在でないという意識」が市民にあり「もっと根底には人権の身近で指摘な側面、髪形や服装などに見られる<他者の規制を受けず放っておいてもらう自由>のみを重視しそれを超えるものには無関心」というさういふ風潮がある、と。まさに。かりに行政が若者の風俗などに介入したら叛乱おきようが、結局は「愛想つかされ呆れられ希望ももられぬ政治行政」と「服装や髪形、自らのライフスタイルに介入して来ぬ者に対する極度の無関心の固まりになってしまった人々」との、この二つが大きく乖離している中でただ全てが悪い方向に向っている恐さあり。