富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

六月七日(金)快晴。観塘の香港歴史档案館(HK Public Record Office)に初めて赴く。香港の公文書館ながら多くの歴史的資料は日本占領下で処分された事実あり。日本関係の資料を検索すれば銅鑼湾の掃桿埔に戦前まであった日本人墓地の地図あり。荷物預け白手袋までして閲覧室に通されマイクロフィルムにて見れば土地造成の図面にてその前後のフィルムに1910年に当時の日本総領事が日本人墓地建設がために当時の植民地政庁宛に打診する公文書あり、曰く毎年平均25名の邦人がこの地で没くなり基督教でなき者その墓地に眠れぬ由にて墓地を設けたしと。政庁それを呑みの地を供す文書もあり。日本占領下の1941-45の地図も拝見するがどれも30年代の地図の焼き直しにて日本占領が見えず。観塘まで来たついでに牛頭角の京セラ、Contax G1の覗き窓内の汚れの解決に赴く。表玄関に賓客専用とあり客ゆえに迷ひもなく玄関を入りたれば警備員余を呼び止め用件を尋ね写真機の修理と判ると玄関から外をまわり裏に貨物並びに職員用の昇降機あればそれにて13階に登り再び階段を上がり修理部へ、と。修理の客は賓客に非ず、か。Contax G1の覗き窓内の汚れを見せるが担当の若者曰く二眼レフにて覗き窓の汚れは画質に支障なく撮影時の気分の問題なり、覗き窓の掃除日本に送ることとなり緻密な部分にて掃除できぬ可能性高く交換せねばならず、と。承知し現状の侭使うこととする。Contaxといえば七、八年前に新品にてContax T2を購いし折に一カ月ほどにてシャッター降りなくなれば当時は中環に香港でのContax扱う総代理店あり其処が修理受付、保証書を見せるが平行輸入品とわかると自社通せしContax以外は修理代が倍かかると宣われ、確かに香港の総代理店といふ立場では平行輸入品に憤慨する気も判るが其処はContaxが指定せしWorldwideのサービス網での香港での服務中心であり何処でどう購おうがContax製品であれば一様に扱うべきではと尋ねるが埒あかず此の牛頭角の京セラまで赴き駐在の京セラ氏に事情を話し保証期間内といふことで無償修理に応じていただきし事もあり。結局その中環の総代理店によるサービスセンターなくなり総じて京セラの事務所にて扱うことになりたる模様。本日余に対応せし青年も気さくにて簡単な修理はその場で応じる小道具持参にて現れかつての総代理店に比べ自社対応こそ善策。牛頭角の古いバラックの飯屋昼時に近隣のムサ苦しきオヤジたち集まり食す雑多な「めし」は油に醤油が焦げ強烈な大蒜の香りにてかなり美味そうだが昼を用意してきてしまい喰えず。