六月三日(月)曇。夕方Sie Cecil's RideをA氏H氏と歩く。ジムにてBodypump。中山元『発言〜米同時テロと23人の思想家たち』(朝日出版社)読み始める。中山氏は在野の哲学者・翻訳家にて氏の哲学サイトhttp://nakayama.org/polylogos/は必見。Negri&Hurdtの"Empire"をかなり早くから取上げこのサイトを昨年知る。当然のことながらサイード先生から始まる『発言』も必読の価値あり。
▼W杯光州にて開催されるを見て思いだすは1980年5月の光州事件。民主化を求める市民デモが軍部に「暴動」として鎮圧され政府発表ですら二百人近い犠牲者、金大中君は内乱陰謀罪などで死刑判決。当時まさかその金大中君が大統領となりその民主化に命を賭けた闘志が家族ぐるみの汚職にて大統領逮捕が先かW杯開催が先かと揶揄されその光州でW杯が開催とは。光州事件の翌年だったか在日のフォーク歌手・白竜のコンサートを小さなライブハウスで友人たちと聴いたことを彷彿す。
▼『信報』の社説にW杯語られるは日本の今回のW杯のための設備投資が前回の仏蘭西の三倍になり(韓国との共同開催で日本だけで三倍!)日韓で今回のために作られたサッカー場十ヶ所はサッカー専用で今後の十分な活用は疑問、そのうえ80万人の海外からの観衆を当て込んだが最もサッカーに熱狂的な英国ですら一万枚しかチケットが捌けず韓国に応援にいく中国からのサポーターは10万人と期待されたが四万人余なのが実績。つまり予想したほどの経済波及効果はなし。日本の不況は構造的な問題であり一時的なW杯にその不況を打破はできず、と。まったくその通り。海外でこれだけ冷静に日本のW杯経済が語られているのに……。
▼仏蘭西ダービーはThulliez騎乗のSulamani(12-1)が優勝しAct One(8-11f)は二着、DettoriのSimeon(15-2)三着でどうにか複勝に絡む○。武豊のLe Fouは惨敗×。
▼香港からの馬券購入が香港の法律で禁止されその上にW杯の煽り受けたマカオの競馬はニュースで見たら単勝の売上げが37,000パタカ(50万円余ほど)にすぎず。かなりマズい、倒産だマカオ競馬。
▼先週末に米国ウィスコンシン州の大司教Weakland君が22年前の神学生への性犯について公式に謝罪、神と同僚、信者の赦しを乞う。世の中の真に不思議なることは人々の懺悔を聴き正しき道を示すべき神父がその権威を利用して少年を犯し大統領クリントン君はホワイトハウスにて葉巻&フェラの情事あっても謝れば済み、些細な万引き、ノミ行為の類が厳しく断罪される矛盾なりけり。
▼M君知人の香港IDの申請につきあいImmigration Deptに赴くがその知人の名前の漢字が日本「国」字にてシナの漢字になく書類はローマ字表記のみにて申請したら職員曰く「名前を中文で入れない理由を書いてください」と。M君何故にと問えば「署名が中文なのに漢字名を入れないのはイレギュラーだから」と職員宣いたり。「他にも漢字名入れなぬ日本人はいるだろうに」とM君言えば職員「だってこのサインは中文なのに」と答える。そこでM君「あのね、サインとは文字じゃなくて記号なの。絵を書こうがマル書こうがサインはサインで、字ではないの」と常識を説明するが職員理解するオツムもたず「しかし、これは香港においては中国語の文字ですから」と。アホな押し問答続きしまいには係官「わかりました。このまま通しますが、でもあとで私の上司に同じ事を言われるかもしれませんから、<心理準備>しておいてください」と言われた、と。かつて我も成田の入管にて署名を「もっときれいに書いてください」と言われ卒倒しようになった経験あるがそれに近いオツム。それにしても金融関係者を除き日本人の署名が余りにもマネしやすい楷書で書かれることは平和ボケそのもの。