富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月三十一日(金)晴。蹴球蹴球蹴球蹴球蹴球蹴球蹴球……世界杯世界杯世界杯世界杯世界杯世界杯……。蘋果日報購えば特製中国必勝の携帯ストラップくれようとし要らぬといえば新聞売りは「なぜだい、みんな蘋果を買わぬ客まで欲しがるというのに?」と怪訝な顔をされ飲み屋は世界杯中継とそれに興奮した客で飲みにも行けず。麥当勞(マクド)からホテルのレストランまでW杯一色……。蹴球は蹴球で結構だが何故に国家別にて対抗戦するのか我には根拠わからず。どうせ国家対抗とするのなら日本は蹴鞠装束、韓国はサムルノリ宜しく打楽器打ち続けながら、パプアニューギニアはペニスケース装ひ、スコットランドはスカート姿とか……いや国家と民族は異なりこれもマズい。蹴球にせよオリムピックにせよ所詮我は興味もなし。▼東証一部上場企業は三月決算にてリストラによる損失や株式評価損など合計で計11兆7千億円の特別損失が計上され当期損益は集計始めし1967年来初の赤字転落、と。膿を出しきりリストラ効果の出る来年3月はV字形の業績回復が見込まれるらしいが、日本の経済はこの特損にて改善される程度のものなのか。実に簡単なことで、借金を帳消しにしたところで次に身軽になって商売を始めても儲ける手立てがなければまた借金ができるだけ。儲ける手段とは悲しいかなグローバル化のなかでグルーバル化の波に乗るかもしくはグルーバル化の余波を一切受けぬ小さくスローな形でも自立するか、いずれしかないのだが、一部のメーカーを除きグローバル化は出来ず自立する思考もなき体質ではまた借金ができるだけだろうに。商社、銀行はまさにこれ。特損を出しても根本的な体質改善手術は断行されておらず、肉体的な疾病の治療がかりに成功しても、精神的になんら心理療法がなされておらず。心理療法どころかハードディスクをきれいに洗ってOSをいったん入れ直す必要はないか。バブルが崩壊し十数年が経っても結局は根本的な自省もなく安易に「小泉さんなら変わる」とか「石原都政くらいの起爆剤が必要」といった淡い期待だけ、結局、Constitutionを憲法と訳すことしかできぬオツムで押し付け憲法から自主憲法への改正といった無知な思考しかできず、本来の国家のformationとしてのConstitutionを、これを司馬遼太郎は十数年前に「読売新聞で」樋口陽一先生(憲法学)との対談で<国のかたち>と言っていたが、その<国のかたち>を作ることができぬまま経済的繁栄だけに浸り今日に至り、バブル崩壊という最後のチャンスを、恐慌は資本主義のformationを更に強固なものにするという、その反発力すら活かすことなく、ただ小泉に80%以上の支持率を供し田中真紀子外相辞任(そういえば昨日より香港滞在中)で一気に不支持といふ全く思慮なき愚挙続き。もう終わってしまっている。終わってしまっているのだからビール飲みながらW杯でも楽しく見物する以外にないわけか。