富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

五月七日(火)快晴。或る用件あり日本人男性A氏と打ちあわせせし折その同僚挨拶に現れればA氏その同僚を我々に「あ、この女の子、香港人なのですが○○を担当しておりまして」と紹介す。女の子でも中年男性でも香港人でもアゼルバイジャン人でも用件には一切関係なし。仕事相手は日本人男性でなければならぬ意義などないが無意識に沽券見え隠れ、す。日本より母上実に五、六年ぶりに来港、今回は齢八十八となる大叔父とその娘夫婦を同行す。九旬も近き大叔父は長年築地の料亭の料理師を勤め晩年は赤坂にて「海舟」なる江戸流れの料理屋を営みし人、今も矍鑠としたもの。Mandarin Oriental Hotelに投宿。晩に益新飯店にて歓迎の一席設ければ経理C氏に予め母に大叔父来港と告げし献立はいつも以上にC氏の腕の見せ所にて格別。花彫蛋白蒸蝦、鮮蓮蝦冬瓜中皿、百花炸醸蟹拑、清蒸東星斑、金華玉樹鶏、翡翠原只湯鮑、上湯煎粉果、香芋西米露、女β黄巻椰汁羔。東京からの土産に人形町伊波仙の扇子、銀座大野屋の手拭いをいただく。