富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月二三日(火)快晴。昼前にamazon.comよりCD届き昼をとりながらホロヰツ奏でるリストがニ単調ソナタ聴けば悲しきほどの青空窗の向こうに広がり何も手につかず何故か煙草が無性に吸いたし。ここ数日の睡眠不足の所為もあらう。重賞あとの明日の快活谷の寂しさに予想紙にも目を通せず。晩早く銅鑼湾はJardine's Bazarが文輝墨魚丸大王にて四寶粉食すが一口頬張り紫菜(岩海苔)が河粉の下にあることすら忘れ味が淡泊と辣油、魚醤かけ塩辛くしてしまひ野暮さにかなり疲れていると痛感す。週刊香港編集部にて首頁ゲラ校正。藪用済ませ帰宅しAlfred Brendelのリスト聴く。ワグナがタンホイザーをリストがピアノ編曲しBrendelの演奏お見事。Paganini EtudesにてLa campanellaなどNHK名曲アルバムで聞き飽きていたが真実はかういふ曲「だった」のかと痛感させられ、La campanellaといへばリスト弾きにはフジコ=ヘミングウェイいらっしゃるが彼女の濃厚な演奏に比べればかなり削ぎ落とすもの削ぎ落とした上で情熱は失わずといふのがBrendelか。▼先月末に朝日新聞の「声」欄に投稿せば載ったもので調子ずいて「小泉首相、景気回復こそお国のため 英霊」といふ一言を「かたえくぼ」欄に送るが相手にされず(笑)。英霊をかういふふうに扱ってはいけない、か。▼仏蘭西総統選挙にて極右ルペン氏善戦しシラク総統との決戦投票へ。仏蘭西社会党敗れる。何故に極右はルペンにて怪盗はルパンなのかといえば極右はLe Penにて怪盗はLupinと知る。朝日新聞社説にて冷静装い「あわてることはないが」などと能天気な題を掲げ曰く「だが、さほどあわてることはない。決戦投票でルペン氏がシラク氏に勝って大統領になる可能性はまずなからだ」。タワケめが。「やや気になるのは」「有権者の最大の関心は犯罪対策」で「移民問題と重なるところがあるこの問題で、短絡的なルペン氏らの考えが受入れられる素地が広がってきたのかもしれない」と社説はいふが「やや気になる」とか「かもしれない」のではなく石原慎太郎の言論と同じく、その短絡的な主張にもはや共鳴する人々が増えているのであり、それは素地ではなく確固たるものにて「かもしれない」などと悠長なことを宣っていてよろしいものか。