■

二月八日（金）曇。銀座キンタロウで産湯につかり銀座松屋の玩具売場で鬼ごっこと東京を気取るつもりはないが母方の墓地が新宿だったから祖母と墓参の帰りに玩具を買ってもらえるのが小田急、中学生の頃に池袋（巣鴨に行っても池袋なんて通り過ぎる街だった）その場末の池袋の西武がとつぜん書籍も美術館も文房具もみんな凄い百貨店になってしまってちょっと池袋に行くようになったけれど、すぐに渋谷パルコの時代。まだ70年代なのだ。授業中に『ビックリハウス』を隠れて読んでいた頃。渋谷パルコのマップハウス、＜壁の穴＞のスパゲッティ、東急ハンズ……それは渋谷にTower Recordsなんてできる前、まだ渋谷がおしゃれで静かな時代、渋谷ヤマハで上田知華＆Karyobinが店頭コンサートしていたのはそれよか数年アトのこと。なんでそんなことを思いだしたかというとRolodexなのだ。銀座から新宿、池袋そして渋谷からまた銀座に舞い戻ったのは高校生の頃、歌舞伎は銀座しかないんだから（笑）。ソニープラザでRolodexの名刺整理とかPaper&Mateのボールペンとかアメリカ文房具の洗練を受けた。九年ほど前にニューヨークのロックフェラーセンターに近いStaplesでついにスロット型のRolodexを買って（別に香港でも売っていたのだけどやっぱり紐育土産ってことで）ずっとそれを愛用していたのだけれどデータが多すぎるよ、今は。Rolodexができた時代は名前、会社名、電話それにせいぜいテレックス程度のはず、それが今じゃファクス、携帯、メールアドレス、サイト……思い立って今日半日かけてあちこちにバラバラだったデータをPalmに集約する。記念にRolodexだけそのまま卓上に置こうかとも思ったけどデータ処理の鉄則は更改の場所を一箇所に集中すること。泣く泣くRolodexはお役御免とする。▼ICACが大規模な競馬八百長を捜査し騎手ではFraddとEganが拘束される。Eganは1月6日の一番人気で玉如意（玉ノ井ではない……笑）が降着となり誰がみても八百長かという展開に四月までの出場停止処分となっていたがFraddは一昨日の最終レースで週刊香港Ｋ氏が馬券を没くし損ねたWinning DragonはFraddの騎乗でこのレース終了後にICACに拘束されていたそうな。あれだけの巨額が動くのだから競馬で不正が断絶されるわけもないと思い、先日の玉如意は余も賭けて損したが実際には自分の知らぬところで八百長で上った馬の恩恵に授かった時もあるのかと思う。