富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月二十七日(日)雨。藪用あり日曜の朝から尖沙咀。息が白くなり厳寒に手袋す。昼にPark Hotelの連邦酒樓にて飲茶すれば此処は日本人ツアーの定番にて濛々と立ち上る煙草の煙と飲茶で麦酒缶が並ぶ卓は異様。日本人の麦酒好きは余もご他聞に漏れずもがな茶を飲む事が目的でありそれに合うように味つけされたものが点心であり麦酒に味が合わぬものを麦酒で流し込んでは野暮も野暮。猛省すべし。午後尖沙咀東の公立図書館にて藪用。極寒ながら冷房は真夏のままかそれでも閲覧者は外套羽織ったまま気持ちよさそうに書に目をやり職員はシャツに綿チョッキ姿は異様。中上健次『岬』読み始める。丁度三十歳の中上健次の綴り方は地文は係り結びが不安定にて主語人称がわかりづらくいったい誰が誰に?で読み滞ってしまふのだが、それでもその地の文に比べて会話となると人物が活き活きと語り始めちょとした言葉であっても何度も何度も読み返したくなる世界。作者自信があの路地の世界に入ってしまっているから会話は自然で客観的にその世界を物語る地の文など不安定になって致し方ないのかと思う。ジムにて健身。MasorrinaのPinot Nero'99。