富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月二十二日(火)晴。寒さ続く。先週水曜がTT三重三連複での馬券誤購入のホトボリも冷めぬうちF館長、活力夫妻並びにB氏でTT購入團體組織せんが提案あり。当然同意。明晩先週に引き続きC氏のWin It All出馬は老九歳にて今季にて引退と最後まで思う存分走らせる所存か。若くして故障あり引退又は撲滅される馬を思えば成績より老いてもなお走れることは馬主にとって良駒なり。▼昨日報道の大江君於三条高校講演会につきふと思いし事はこの三条高校校長果たして大江君の小説をきちんと読み(とくに大江光君登場からの一連の物語)政治的といえば政治的な言及もある朝日新聞で連載し欧米知識人との交換書簡などにも目を通したのかといふ事。かりに『セブンティーン』や『性的人間』を書いた60年代当時の大江君ならまだしも大江君本人も言っている通り高校での講演で学生相手に政治的に扇動するはずもなく寧ろ普遍的な人間性といった語りになることは(余は個人的には関心はないが)これは明白。昨九月の合州国同時多発テロ並にアフガン攻撃など大江君が語る事は政治的でもあるがせいぜいこの厳しき現実を自らの目で見て考えろという程度ではあるまいか。講演会は同校創立百周年記念式典の記念講演にて檀上には<国旗>が掲げられるもので校長は「大江さんの著書や講演集などを読み、(天皇の戦争責任を問うなど)政治的な発言が気になって手紙で触れた。教育活動において一般論で『政治的中立の維持』を要請したつもりだった。貴重な機会がなくなったことは残念だ」(毎日新聞伝)と宣ふが考えてみればこの校長の判断は実は崇高なる理念など関係なく単に自分が校長の高校で<国体>に係わるような発言をされては自分の進退問題に事が及ぶというそれだけの判断。たかだか一県立高校の校長がノーベル文学賞家相手に殊勲賞モノ、但し大江君辞退により敢闘賞は賞外、技能賞に値せぬことは言うに及ばず(笑)。国旗国歌にかかわる崇高なる思想的な問題を学校長の進退問題なる一個人の雇用維持のレベルに引き下げて国旗国歌の普及を為すとは政府与党こそ<国体>侮辱にてまさに国賊なり。▼築地のD君より知らされしは朝日新聞きっての知米派F氏、アルカイダに参加して取っ捕まりし米国人ジョン・ウォーカー君について彼が自由教育をモットーとする高校に通っていた頃に司法省職員で民主党支持の両親が離婚し父親はゲイの恋人のもとへ……と物語る。ジョンなる名がジョン・レノンにあやかるとなれば、つまりは自由を標榜し民主党支持のリベラルな中流家庭は離婚、同性愛といった本来戒められるべき家庭崩壊が原因でトンでもない非行に……というわけか。規律正しい学校に通い共和党支持の両親がホモフォビア的なる宗教倫理的に正しい家庭にあればいい、ってことか……これじゃshark's brainのブッシュ君そのままだ、ゲッ。▼森君がサメの脳味噌なら合州国総統小布珠君はshark's brainかと思ったのだがサメに失礼な言動か。サメが聞いたら怒るであろうなぁ、基本的鮫権の侵害。