富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月十八日(金)雨。Z嬢が先週葡萄酒の試飲会に趣き珍しく香りに惚れて購い佛のVacqueyrasのDomaine de la Charbonniere99年モノ、そこそこ濃厚にて食事とあわせるより酒として味わいたき風味にて食後まで楽しむ。▼先月の失業率6.1%に上昇し財務司阿松更なる上昇を警告し農歴正月には好景気時とて倒産解雇など少なからず二月の旧正月には失業率6.3%まで上昇との指摘あり。政府は一昨年秋に強制年金制度を導入せしものの市場低迷にて年金基金は元金保証型を除き殆どが元金を下回り且つこの不況時に雇用者側に人件費5%の上昇を強いる制度にては被雇用者救済どころか倒産にて雇用じたいがなくなっては年金など全く意味もなし。駄策この上なし。▼大和屋は歌舞伎座にて先月のお美和に続いて定高もけっこういい出来と月本裕氏。お弟子へのホモセクハラ疑惑以降、芝居がいいとはすべて芸の肥しにするさすが歌舞伎界を背負ってたつ立女形大和屋。▼話は数日前のことになるが新年の法律年度開啓の司法式典にて律政司司長梁愛詩が到辞にて曰く「過去数年、我々は新しい<憲法>の重要なる発展を見証し判例を確立し不明確な事項の解消を為した。この発展は<基本法>の地位を強固にし並びに<基本法>に謳われる権利と義務を強化した」と。香港特別行政区基本法は国家の一行政区に通用するだけの法律(もしくは役場制定の条例か)にすぎず憲法というのは誤りにて(梁愛詩は崇高なる法という観念的な意味で基本法憲法と呼んでいるのだろうがただ嗤うばかり……)何が発展か、検証された事例と不明確な事項の解消とは市民に不利なことばかり。確かに基本法の位置は強固される、但し低いだが。▼梁愛詩という不快な名で思いだしたが不快では梁愛詩に勝るとも劣らぬ保安局長掃把頭女史も吠え続け、三月にて香港居留が期末となる内地子女について香港残留を強硬する場合はベトナムボートピープル送還の際のような最小限の武力行使も有りえると宣い合州国政府の中国政府による聖書密輸死刑判決に対する信仰の自由への懸念表明に対して合州国の主張は自由だが他国政府の政策に対して干渉するべきではないと香港役場の保安局長風情がまるで北京政府の公安トップのような発言、唖然。香港市民の中国国内での逮捕につき本来なら市民保護すべきところ中国国内の事例につき直接の立場の行使はできずあくまで中国側の当局に身柄確認の打診程度と謙虚さも天晴。