富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月二十四日(月)快晴。天気よく自転車に乗ろうと外に出ると自転車タイヤの空気がすっかり抜けておりお間抜けにタクシーで灣仔道の自転車屋まで運び空気入れる。無愛想な店で空気を入れるだけでHK$40も請求する。客の弱みにつけこみ、呪うべし。二度と行くまいとフランス製のZefalなるブランドの空気入れを購う。黄泥涌道上り南風道より深水湾道を下り島南。さすがに海岸も閑散。海岸で新聞読み。淺水湾道は予想より傾斜小さいが距離長し。午後二時でも陽は西に大きく傾き日陰続きの寶雲道は寒く、途中公園にて太陽が山頂に隠れるまで日なたで吉沢譲治『競馬の血統学』NHK読む。街に出れば巷は聖誕祭前夜にて賑わう。中環の陸佑行ビルの地下にありながら行かぬままだったBon Bon Bon(有食縁)なる高級食材店訪れるが、やはり行かなくてよかった、どこだかの金持ちの娘の道楽で始めた「自分の好きな食材を揃えて」のコンセプト、所詮、魚翅に燕巣、フォアグラといった「高価な」食材を並べたトーシローの商売にすぎず、この不況にこの品ぞろえではと同情するほど客もおらず閉店は時間の問題。HMWにてPink Floydの"Echoes"と台湾の周杰倫のCD購う。Pink Floydはもう何枚目かわからぬベスト盤にて、基本的に"Delicate Sound of Thunder"がピンフロの集大成だと思う余ながら、でもリリースされると買ってしまう。それにしても70年代、プログレ狂のT君に影響されT君の部屋でPink FloydだのELPだのツェペリンと聴いて、中学生だった余は何を感じていたのか。中学生でありながら「YesはちょっとShow Biz(そんな言葉当時はなかったけど……笑)に走りすぎてる」わけでパープルなんて論外というマセた中学生。世は聖誕祭を嫌うのでは非ず、基督者が非基督にまで聖誕の言葉をかけ基督者でもなき者が聖誕節を祝いるその節操のなさに納得がいかぬ。一神教の基督教に対して非基督者が祝福を演じることは神への冒涜でないのか。というわけでここ数年の年中行事として(笑)聖誕祭といえば七面鳥の丸焼に対して中環はYung Keeの焼鵝と絶品のピータン生姜添えを購い自宅にて食す。伊太利はCaparzo酒造のRosso di Montalcino 1998 にて焼鵝。今年は残念ながら鵝は「外れ」、脂身多し、Montalcinoも寝かせ足りず(明日に残り飲めば美味いはず)。焼鵝はやはり清明節から端午節までが好し。ちなみに広東料理としての焼鵝ならYung Keeより深井の裕記などのほうが格別に美味い。しかしフランス料理のl'oie sur le grille(って言うのかなぁ焼鵝はフランス語で、知らぬが)を食すなら絶対にYung Keeの焼鵝を上等な赤葡萄酒で賞味したほうが美味い、と、そういうわけ。来年の活躍が期待されたジャパンCダート圧勝のクロフネが右前浅屈腱炎9カ月以上の休養必要、三月のG1ドバイワールドカップ出場は絶対に無理、残念。