富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月十日(月)晴。マカオの賭博これまで四十年に渡り賭王Stanley Ho君独占なりしものが開放され二十一の財団が三つの経営権に食指伸ばし本日が入札。結果は生誕節前後。これに係わる新聞報道読めば四十年前に賭博独占経営権をHo君が得たりし日の物語りあり。澳門の賭博事業初代賭王傳老榕と高可寧の配下にあり1961年Stanley Ho君(Sir何東の孫)が何家の財力と政治力をもってこの独占権をマカオ政庁より取得し1962年元旦をもって賭博場が移行することとなりStanley Ho君は賭博場職員に移籍を促すが61年大晦日になっても経営権移行に反対する旧勢力は継続して賭博場営業を堅持させようと両勢力の闘争が白熱化し爆弾による威嚇まで発生。大晦日午後九時旧賭王の総部であった中央酒店のカジノの職員は無所適從、賭客も恐れなして賭場につけず旧賭場職員は深夜零時の営業停止を命じられる。元旦未明に漸くそれらの職員は新しい賭場となる愛都酒店並びに新花園賭場に移動し新賭場開業、このあいだ賭場が閉まること三時間、人々は恐怖と戦慄に怯えつつ新しい年と新しい賭王を迎えたり。マカオ旧市街に老朽化せしもののいまだ存在感漂わせ立ち誇るセントラルホテルがこういう由来とは露とも知らず。24時間連日連夜の賭場が唯一閉まったのがこの1961年元旦早朝の三時間か。リウマチなどに効く非ステロイド系の薬がアルツハイマー抑える働きありと報道あり。そういわれてみれば「リウマチがひどくてねぇ」などと宣いながら病院通いを怠らなぬ老婆にかぎっていつまでもボケもせず口も達者で長生きか(笑)。週末にランニングクラブの幹事会あり場所を押さえようと体育系だからと験を担ぎ南華會の地下にある漢華だかの系列の料理屋にするかと予約に趨けば案の定客など二組、これなら週末の予約も易しいかと思えば手頃な個室あれど最低消費がHK$2,000と言われ唖然、魚翅だ鮑だならまだしも安さが取り柄の料理屋で、これはいただけず丘を下り禮頓道の台湾料理欣葉があり台湾料理なら値段も張るまいと思いきや此処は個室はなんとHK$5,000といわれ一体何を食せば台湾小菜にてこんな値段になるのか、台湾小姐つきか(笑)。個室のある店、個室のある店と悩み彷徨い蘭桂道に割烹宇津木ありダメもとで宇津木に飛び込めばご亭主居り土曜日に座敷あり最低消費などと野暮なこといわずとご厚意に甘えることとなる。普段は全く飲まぬのに一年に数回ふとコーラなど所望したくなる時あり、他のどの飲料でも叶わずコーラ、しかもダイエットコークでは妥協できずあの甘いコーラなのであるが、今晩はそれに当たる。そういえば普段は全く喰わぬ餌、マクドナルドであるが、ふと土曜日の朝、梅窩にてマクドに入りパンケーキの朝食セットなるもの喰うが百年ぶりに喰ったらやはり受け入られず。佐敦にて二更に亜龍にて鶏カレー。廟街にほど近きこの界隈にてはこの時間、亜龍の客といえば舎弟身分の若造が「かつては同い年の遊び仲間ながら自分の兄貴分のレコになっちまったナオン」連れて兄貴から「これで飯でも喰ってこい」と渡された黄色い札など見せびらかしながら、ナオンとその若い衆と二人でカレーを三皿ほど頼み煙草ふかしながらカレーをグチャグチャと箸をつけつつ平らげるでもなし、なる風景。味は格別ながら下町の薄汚れたカレー屋にてHK$40以上で商売ができるのもこうした町柄か、と思う。