富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月二十一日(水)快晴。風邪ひどく朝L医師の診療所。風邪薬では治らぬのでは、と抗生物質与えられる。マカオのホテル手配の交錯あり金鐘のHSBCまで二度往復。窓口を眺めていればUSドルのたかだか10ドル紙幣に執拗に偽札チェックを続ける光景、一枚は慎重にも偽札鑑定のため裏側へと運ばれる始末。貨幣は信用のみに基づく虚構にてお互いの信託あれば貨幣として通用するもの、偽札とてその場で信用して取引きすればよきものを、と長蛇の列に並び思う。喉と咳の薬も強く終日微睡む。数カ月たまった『ソトコト』読めば偶然にも北欧、カナダの地域通貨(LETS, Local Exchange Trading Systems)の特集あり、これはその地域にて信用を前提とさえすれば通貨が成り立つまさに貨幣の神髄にて、これと比べれば信用すらなきまま世界通貨として君臨すUSドルを憂ふ。夜は競馬中継をちらちら眺め雑誌目通し続ける。競馬は複勝のみにして掛金上げる。