富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月二十九日(土)快晴。二葉亭四迷浮雲』は前半に比べ後半はかなり地の文での説明ばかりとなるのは何故。それにしても小説のテーマというのは時代が変わっても一緒であり、世間で人が悩み悲しむことも全く同じようなことと改めて納得。この小説をドラマ化しても今で通じるもの。Far Eastern Economic Reviewが9.11テロを今週号できちんと分析しているが、さすがというべきかアメリカの論理はいくらでもマスコミで紹介されているわけで、アジアの経済誌としてアフガンも範疇ということでアフガンとパキスタンから見た今回のテロをきちんと捉え、パキスタン経済が今回の事件でどれだけ打撃を受けるか、パキスタンの対米繊維輸出など、他では見られぬ記事。特集記事のリードでも「アメリカはテロ撲滅というが、これは悪夢の始まり」と、この対イスラム戦争がたとえ原理主義の一部過激派相手であり穏健派イスラム諸国はアメリカに追従していてもこれが何かの引きがねになってしまうことを警告。香港の経済新聞『信報』と"Far Eastern Economic Review"はやはり必読。海にいると昼はさすがに陽射しもきついが午後3時ともなれば陽はだいぶ西に傾き気温こそ27度でももう秋だと実感。競馬が明日と勘違いして競馬予想。22日に二度目の一番人気で退出したKingston Treasure(京城之寶)は馬主と呉調教師の抗議空しくジョッキークラブは裁定を下し今後参戦不可にて事実上引退勧告。99年の9月の開幕戦での勝利が最後となる。99年5月23日の沙田銀瓶1600mのレースにてスタートより飛ばし追い上げる1.4倍の馬王Fairy King Prawn(蝦)を2+1/4馬身差で振切った名馬(ちなみにFairy King Prawnと三着勝感が5+1/2馬身差、いかに京城之寶と蝦が並外れていたかがわかる)。99年2月に3才にて快活谷1200m4班で初戦3+1/2馬身差で玩具大王を破り1戦2着になった以外は6戦中99年の9月の開幕戦まで5勝と負け知らず。名馬が幻の名馬となる。『新報』である評論家が京城之寶を問題児元見習い騎手・余健雄にたとえたは納得。