富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月二十六日(水)晴。朝七時より尖沙咀のジム、お師匠のT氏が買い置きされしトレーニング用品受け取る。黄昏にHappy Valleyの萬興茶餐廰にて海鮮炒麺。快活谷にて競馬。最初の2レースで根拠なくWhite外し最後まで漠然と不調のMarwinに賭け続け、せっかく勘所のよき夜のはずが擦って終わる。『信報』にハーバード大学より中国民主運動のかつての闘志・王丹が9月11日の大学の様子を書いて寄越しているが、淡々と冷静な視線で大学をとらえ秀逸。殊にこの夜、大学のケネディスクールにて集会あり、院長で前国防部副長官のJoseph S. Nyeが大学として冷静にこの事件を捉え巨大な災害時だからこそ理性をもちスケープゴートを造らぬよう呼びかけ、Jessica Stern教授が「最も重要なことは我らの社会の価値理念……公民自由と無罪推定原則を銘記すること」と述べた、と。王丹はこの大学での理念に接し、いかにどんなテロが起きようとこのアメリカの希望理念を(それの好き嫌いは別にして)破壊することは根本的に不可能、と結ぶ。同じく京魏生の蘋果日報への文章はこのテロから話始まり中国政府の少数民族と自由台湾への弾圧反対にまで言及し多少読み心地悪し。それにしても、である、二機の飛行機が超高層ビルに突撃しビルが崩壊しただけでこれだけ混乱し低迷し痲痺するとは経済であるとか経済成長であるとか高度の資本主義とかこれはいったい何なのか、こんなに脆いものなのかと思う。ヨシモトは嫌いだがまさにこれらが我々の共同幻想にすぎぬことをあのテロは我々に露見させたのか。