富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月十一日(火)晴。今シーズンの長距離走いくつか申し込み済ます。ジムにてマシンにてクロスウォーク1時間する間『背徳者』読む。ディスコティックな音楽が大音響で流れモニタには『ちびまる子』が流れる中で筋力運動続け読む『背徳者』はかなり現実的。坊主騒動顛末は初更自宅に戻れば管理事務所C氏より電話あり楼上が住人管理事務処に居り余と話したしとの事、思えば未明にヌレギヌにて警察に起され踏み込まれ余もふと謝罪を忘れたれば早速事務所に赴く。楼上のL氏に先ず謝罪するとL氏の非難の矛先は余に在らず非は管理会社にありと述べL氏曰く騒音が誤解は誤解として致し方なき事乍ら何故に管理会社は警備員を住人宅に送らず警察に任せるのか、なんのための住宅管理、警備か、と。余も主犯の立場にて多少警備会社の弁明に務め、但し警備会社とて住人の子細知らず危険少なからずおいそれと深夜住宅の門を敲けず。しかしながら余が警察にと警備会社を促したは事実なり、非は警備会社に在らず。但し警備会社も翌朝になるまで対処できぬとテコとも動こうとせぬは事実にて住人のデータすらなく管理会社並びに下請けが警備会社の運営体制に不備もあり。L氏は管理会社の対応を文書にて声明せよと要求。余は警備員らに平謝りにて場を辞す。自宅にやれやれと戻ればテレビ画面にて晴天の青空を背に白煙をあげし摩天楼。帰宅して偶然にもオンにせしままがCNNにて、タワーリングインフェルノのf画が現実かと悪寒走るが超高層ビルの危険性はすでに明白なる事実にて磯崎新東京都庁コンペにて丹下的バベルの塔建築にアンチテーゼとして森の中に点在せし箱を提示し見解が何を意図したかとこの画面を眺めながら今さらながら思い、その時点にてはまだ映画にて夜空を背景に燃えるタワーリングインフェルノはこの現実に青空を背景に燃える摩天楼なる映像的美(ビル内での火災のパニックに対して反面にある風景としての美、である)のように描けなかった点がやはり空想の世界の限界かなどとテレビ画面を眺めていたが(しかしサンダーバードはよく晴天での巨大ビルや飛行機のパニックを設定していた)二機目の飛行機が突っ込むを見て計画的テロと合点す。CNN、BBCなどが事実、事件背景などに執り犠牲者の安否など敢えて時間をとらぬのに対しNHKは犠牲者の安否、日系企業の状況など人道的なるは対象的。少なくてもマンハッタンが閉鎖され通信網も遮断されている状況において事故から数時間のうちに何も具体的個別情報は入るわけもなく、一定の時間が過ぎるまでは敢えて安否語りの「大丈夫でしょうか……」は避けるべき。BBC英国放送協会ながら国際放送であり「英国人の犠牲者は」とできぬは当然だが。惨劇から数時間してお決まりのようにフロリダからAir Force Oneにて戻りし大統領の"Hunt down and punish" the attackers なる強いアメリカの声明を聞きテレビを消したり。取っ捉まえてトッチメてやるぜぇ!ではまるで銭形平次だが帝国には銭形のぉの温情はなし。その征伐にまた新たなるテロが生まれるものなり。