富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月五日(水)昨日奇縁のM氏深夜の電郵往来にて1985年に略数日違いにてHISが格安航空券にて香港に寄り今はなき佐敦の富士ホテルに投宿し翌日中国入りした事迄判明、正に奇遇。昨晩は雨雲絶え雲の合間より亮月出でヴィクトリア海峡には低空にPT100なる宣伝文句を胴体に標しツェッペリン型飛行船が回遊するは幻想的なる眺望。高層ビルのライトを浴びまさにピンクフロイドの世界。飛行船回遊の後に旧啓徳空港が敷地に降る様は我が書房より眺むれば九龍の建物群は深海の岩場にて巨大な鯱が低く尚深く潜航するが如し。暁方再た大雨となる。テレビマンユニオン秋元晴彦氏逝去71歳、氏の音楽殊にカザルスの復刻にかける執念、サントリーホールにカザルスホールと見事な音楽堂を設営、氏が70年代に深夜TBSラジオにて続けしインタビュー番組は秋元が加藤タキなど硬派の大人たちと軽妙な事柄を神妙に語るという微妙にして洗練された雰囲気がラジオより伝わり秀逸なりしもの(この番組に続くはニッポン放送ヤマハ提供のコッキーポップにて流れし柴田まゆみの「白いページの中に」は忘れえぬ名曲)。訃報記事より氏が信州の生まれとはいへ晩年の長野オリムピックにて総合プロデュースとして加担せし事を知る。築地のH君よりのメールに「運動関係のMLで」との表現あり「運動ってどのスポーツ?」と悩むは余の脳味噌は筋肉化、非思想化していることの顕れか。H君と宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』最後に制作の第一線より引退を仄めかせし事(個人的に一連の宮崎作品に興味はないが)どうせならR指定のホラーであるとか宮崎監督で永井豪原作『ハレンチ学園』と高畑勲監督で『はだしのゲン』の二本立てで見てみたいもの話す。悪天候ながらハッピヴァレイ競馬場の今季初戦にてボックス席にN氏、M氏、S氏、K氏、F氏誘い観戦、真剣に馬券買えるはずもなき条件下に食事と決め込む。