富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月四日(火)曇。歌舞伎町が火事M君より知らされしは反朝日の産経新聞とて被害に遭ひたる「30代の男性は妻とのトラブルを乗り越えて仲直りし2人で再出発を誓った矢先に被害に遭った」と一見読者の涙そそらむ湿る書き方をせしものの其の再出発を誓いたる夫ルーズソックスだか麻雀賭博に居ったなど洒落にもならず。社会面と云ふ紙面埋めるがために記事書くたる故に先の如き笑えぬ記事となりぬ。朝日は貴重な紙面にて火災煙に巻き込まれし折は濡れた布を口に当て姿勢を屈め……と今さらの解説、歌舞伎町にてはルーズソックスを水割りにて濡らし口に当てしかと想像する読者は我の他にも少なからず。蔡瀾氏一昨日の大失態にもめげず(此れは今日まで触れず)随筆好調、今日は香港が飲食店全面禁煙案とりあげたれば(確かに此れファッショなるものの)一万人に調査し何故に自分や友人に質問が来ぬ、故に民主的に非ず、禁煙化せば飲食業は壊滅、分煙化にて何故足りぬ、深センさえ飲食店接客好く美味く廉価にて煙草吸えるは心地好し、故に禁煙化が日には広州に住むもの也!と結ぶ。煙草がため中共にて言論の自由を捨てられる哉……。いずれにせよ紙巻き煙草の臭いは醜悪、まず寿司屋全面的に禁煙にすべし!日本より戻りし頃より肩痛甚しくふと手帖見れば先の献血より三カ月にて中環が赤十字に赴き献血。昨日が殺菌モードにて紫外線本日が献血では若き方はご存知なかろうが80年代中葉の戸川純である。去る三月フィリピンはBoracayへの旅の記録前回の献血にて赤十字の電脳記録に在りマラリア指定地域への旅行にて1年観察期間、献上し血液は成分採取のみにて他は排棄と告げられる。マラリアが危険性は承知の上理解できぬは何故にセブ島は「清潔」故にマラリア指定から外れBoracayが指定か也。不思議と肩痛失せ体内が気圧下がり心地好し。上環の某バー黄昏に客は余独りHappy Hourにてハイネケン二瓶空け初更に帰宅す。本日朝此のサイト文字化け生じM氏なる方より電郵届き其れ報せれ急ぎ復旧さす。M氏とふと電郵往復させればまるで旧知の如く荷風橋本治吉田秋生、はたまた戦前の東京(とうけいと読むべし)版画の藤牧義夫に迄話及ぶ、奇縁。恵比寿戸川書店ご亭主に矢田挿雲『江戸から東京へ』入手のお礼葉書寄す。