富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十四日(土)晴。朝よりテレビは北京オリムピック決定報道にて歓喜、これに気を好くし政治的梗塞感多少改善されんことを祈る。ふだん反北京政府の『蘋果日報』も巻頭五頁北京奥運祝福、South China Morning Postの多少冷静な分析と『信報』のこの与えられた七年に準備すべきことは中国人民の寛容性と多元化なる社説に溜飲下がる思い。天気は雨の予報に陽光、海にて新聞雑誌素読安部公房『第四間氷期』読了、物語の終わりイリリなる水棲人間の青年、野蛮な人間にも風の音を感じる感性のみ残りたる事を察し、水没せし日本のわずかに残った陸地(富士山頂上か)の島にあがり失敗作にて涙腺が残ったイリリ目が乾き自然と涙を流す情景、小説に珍しく感極まりたり。来季の競馬日程発表される。ジム。HMWにてPink FloydのThe WallのDVD、ボブ=マーレイのベスト盤CD購う。購って懐えばどちらの作品も中学三年の頃に初めて聴いたミユージシャンにて高校受験勉強もせずThe Wallを聴き、巨大なポスターは部屋に貼られてていた事も回顧。ボブ=マーレイは志望校に不合格し中学卒業の春休み特にすることもなくレコード屋にて週刊朝日のレコード評切り抜き客が店員に問いあわせしLPがボブ=マーレイの『エキソダス』にて、その客はレゲエに降参して購買断念せしLPをその場で購い神経衰弱した中学三年の世界の積りに積もった垢がこのLPにて癒されたり。40代後半の米朝『口入屋』をテープで聴く。